[Vol.1701] 金(ゴールド)市場は素晴らしい教材

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。中東情勢の混迷などで。86.67ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,295.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)清明節のため休場。

上海原油(上海国際能源取引中心)清明節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1359.8ドル(前日比2.35ドル縮小)、円建てで6,609円(前日比25円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月5日 13時34分時点 6番限)
11,088円/g
白金 4,479円/g
ゴム 326.2円/kg
とうもろこし 40,070円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「金(ゴールド)市場は素晴らしい教材」
前回は、「『コモディティ市場分析』は強力な武器」として、分断と矛盾の世界を生き抜くために必要なスキルとコモディティ市場分析について述べました。

今回は、「金(ゴールド)市場は素晴らしい教材」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)について述べます。

コモディティ市場分析の一歩目になり得るのが、金(ゴールド)です。分断も、矛盾も、俯瞰も、疑うも、自律・自立も、いずれの要素も含んでいるためです。以下の資料は、現代の金(ゴールド)市場をと取り巻く環境を示しています。

例えば、短中期視点で金(ゴールド)価格が高値水準で推移していることについては、株価が高騰しているため代替資産起因の下落圧力がかかっているものの、複数の戦争が長引いているため有事ムード起因の上昇圧力と、FRB(米連邦準備制度理事会)が金利引き下げの議論をしているため代替通貨起因の上昇圧力がかかっているため、と説明できます。

過去の常識(株価高い時は金は安いものだ)や分かりやすさにとらわれず、俯瞰的であることが、株高でも金(ゴールド)高が起きることの説明をスムーズにしてくれます。ここに何も矛盾はありません。

中長期視点では主に「中央銀行」の動向に注目することになります。世界分断が深化し始めた2010年ごろから、新興国を中心とした中央銀行は保有量を増やしてきています。分断を嫌気して、伝統的な資産であることなどを理由にこうした動きが目立っています。

分断が解消しない限り、こうした中央銀行による保有量増加は続く可能性があります。中長期視点の価格下支え要因があると、言えそうです。

足元、金(ゴールド)相場は歴史的な高値圏で推移していますが、中長期視点でみれば、中央銀行による買いに支えられると筆者はみています。短中期の材料に惑わされず、そして過去の常識にとらわれず、材料を俯瞰しながら価格動向を追ってみるのも面白いと思います。

図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)
図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。