[Vol.1709] 情勢混迷で金(ゴールド)上昇は継続

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反発などで。84.83ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反落などで。2,406.60ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年09月限は14,560元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年06月限は661.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1437.7ドル(前日比5.10ドル拡大)、円建てで7,133円(前日比36円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月17日 17時29分時点 6番限)
11,871円/g
白金 4,738円/g
ゴム 312.1円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「情勢混迷で金(ゴールド)上昇は継続」
前回は、「中東情勢悪化は短期的・直接的な要因」として、イランとイスラエル、イランが支援するイスラム武装組織「抵抗の枢軸」の直近の動きについて述べました。

今回は、「情勢混迷で金(ゴールド)上昇は継続」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)について述べます。

振り返ってみれば、3月25日の国連安保理での米国の棄権が報復合戦のきっかけになったのかもしれません。あの後、怒りをあらわにしたイスラエルは「抵抗の枢軸」をなりふり構わず攻撃し、その攻撃がきっかけで報復合戦がはじまった、と言えなくないためです。

米国は、リーダーとして国際世論に応じ、これまで関わりが強かったイスラエルを制御しなければならない立場にある(だからイスラエルを擁護する意味の拒否権を行使せずに棄権をした)一方、11月に大統領選を控え、米国国内のキリスト教福音派(ユダヤ人の国イスラエルを尊ぶ人々)の支持を取り付ける必要に迫られイスラエルを無下にできず、大変に難しいかじ取りを迫られています。

大規模な戦闘を避け、防空システムを活用してミサイルやドローンからイスラエル本土を守ることが、今の米国が選択できる唯一の策なのかもしれません。その意味では、現在の情勢が、かつてのような米国を主体とした多国籍軍が相手を一掃するような大規模な戦争には発展しないと言えます。

大規模な戦争が勃発し、情勢悪化に終わりが見える事態にはならないのであれば当面、中東情勢は現在のような緊張の糸が張った状態が続く可能性があります。このことは、下図内の金(ゴールド)に関わる短中期のテーマの一つである「有事ムード」起因の上昇圧力が、まだしばらく続く可能性があることを示唆しています。

図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)
図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。