[Vol.1724] ロブスタコーヒー価格急騰

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。ドル指数の反落などで。78.51ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米主要株価指数の反発などで。2,349.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1341.45ドル(前日比26.35ドル縮小)、円建てで6,782円(前日比35円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月13日 17時14分時点 6番限)
11,784円/g
白金 5,002円/g
ゴム 309.8円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「ロブスタコーヒー価格急騰」
前回は、「積立効率化のコツ『低迷銘柄を探すこと』」として、国内大手地金商金(ゴールド)・プラチナ価格(税込)について述べました。

今回は、「ロブスタコーヒー価格急騰」として、ロブスタコーヒー相場について述べます。

以下のとおり、コーヒーの品種の一つ、ロブスタ種の相場が過熱感を帯びています。およそ45年ぶりの高値水準です。2024年4月の水準は2022年4月の1.84倍、2020年4月の3.00倍です(世界銀行のデータより)。

コーヒーの品種は大きく二つにわけられます。スターバックスや主要なコーヒーショップで用いられている、芳醇な香りが特徴のアラビカ種と、缶コーヒーやコーヒー飲料などで幅広く用いられている、酸味が特徴のロブスタ種です。

2020年以降、価格上昇が目立っているのはロブスタコーヒーだけではありません。アラビカコーヒー、カカオ、砂糖、オレンジジュースなどの価格も上昇しています。

こうした農産物の価格が高騰している背景には、複数の世界規模で起きている流れがあります。(1)ぜいたく品をもとめる人口が増加していること(需要増加)、(2)主要生産国で異常気象が頻発していること(供給減少)、(3)主要国の金融緩和が投資マネーを増やしたこと(変動幅拡大)、(4)フェアトレードが普及し始めたこと(価格下支え)、などです。

このような世界的な流れの中で、ロブスタコーヒーは2022年以降、突出した上昇を演じているのです。

図:ロブスタコーヒー相場 単位:ドル/キログラム
図:ロブスタコーヒー相場 単位:ドル/キログラム

出所:世界銀行のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。