[Vol.1778] 求めるべきは一時ではなく長期視点の安心

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。77.57ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。2,439.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年09月限は14,350元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年09月限は588.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1485.45ドル(前日比3.30ドル拡大)、円建てで7,143円(前日比65円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(7月29日 14時55分時点 6番限)
11,850円/g
白金 4,707円/g
ゴム 316.8円/kg
とうもろこし 37,100円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「求めるべきは一時ではなく長期視点の安心」
前回は、「『世界分断』で長期高止まりが続くか」として、2010年ごろ以降の世界分断発生と各種コモディティ(国際商品)価格上昇の背景を確認しました。

今回は、「求めるべきは一時ではなく長期視点の安心」として、主要株価指数と金(ゴールド)の価格推移(日足)を確認します。

足元、国内外の株価指数が急落しています。株価指数の急落は、多くの投資家の不安をかきたてます。今まさに、売るか、売らないかの二択を迫られていると感じている投資家も少なくないでしょう。

こうした環境の中、金融に関わる情報発信者の多くは、投資家を安心させようと、過去の株価急落時に比較的上昇率が高かった銘柄を紹介したり、株と性質が異なる投資商品を紹介したりします。

この時に目指す安心が、一時の安心か、長期視点の資産形成に資する安心か、この点は大変に重要です。また、今感じている不安の源泉が価格急落なのであれば、今後は、長期視点でできるだけ急落を避け得る銘柄の選択が必要となるでしょう。

絆創膏(ばんそうこ)を貼って得られる一時の安心ではなく、今見舞われているような急落を長期的に避けながら資産形成を進めていく策が、今まさに求められています。こうした策は、長期的な値動きをもとに考察されると、筆者は考えています。

図:主要株価指数と金(ゴールド)の価格推移(日足)(2024年7月1日を100として指数化)
図:主要株価指数と金(ゴールド)の価格推移(日足)(2024年7月1日を100として指数化)
出所:LBMAおよびInvesting.comのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。