[Vol.1806] 「中央銀行」は今後も強力な価格上昇要因に

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。69.14ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。2,548.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年01月限は16,545元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年10月限は522.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1616.15ドル(前日比3.35ドル拡大)、円建てで7,331円(前日比27円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月6日 18時05分時点 6番限)
11,585円/g
白金 4,254円/g
ゴム 359.2円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,874.0円/mmBtu(24年12月限 24年9月6日17時57分時点)

●NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「『中央銀行』は今後も強力な価格上昇要因に」
前回は、「資産形成に役立つ『時代の流れ』を確認する」として、金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年9月時点)を確認しました。

今回は、「『中央銀行』は今後も強力な価格上昇要因に」として、米ドル通貨供給量と金(ゴールド)価格の推移を確認します。

2010年以降続いている世界の社会・市場の大きな変化の流れを受け、特に新興国を中心とした各国の中央銀行による金(ゴールド)の買いが続いています。

長期的な価値保全・インフレヘッジ、危機時のパフォーマンス、効果的なポートフォリオの分散化などが主な理由で中央銀行は金(ゴールド)の保有高を増やしています。

また、米国の中央銀行にあたるFRBが管理する米ドルの供給量は長期視点で増加傾向にあります。金(ゴールド)相場はそれに追随するように上昇しています。通貨の供給量増加は当該通貨の価値希薄化懸念を強めるためです。

世界の社会や市場環境は2010年ごろから大きく変化してきた中で、「市場の金融緩和依存」が進んだ可能性があります。このことは、今後も長期視点で米ドルの供給量が増加することを示唆していると、考えられます。

金(ゴールド)相場は歴史的な高水準で推移しています。ですが、長期視点で見れば、まだまだ、上昇する可能性があると考えます。「時代」に当てはまるテーマに注目し、ゆっくり価格動向を眺めてみてはいかがでしょうか。

図:米ドル通貨供給量と金(ゴールド)価格の推移
図:米ドル通貨供給量と金(ゴールド)価格の推移
出所:米連邦準備制度理事会およびLBMAのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。