米シェール、2019年10月は2項目で統計史上最高

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。米シェール生産量が増加したなどで。56.94ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,470.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年01月限は12,130元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年01月限は453.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで570.85ドル(前日比6.05ドル縮小)、円建てで1,980円(前日比3円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(11月19日 16時43分頃 先限)
 5,125円/g 白金 3,145円/g 原油 38,450円/kl
ゴム 183.0円/kg とうもろこし 22,670円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米シェール、2019年10月は2項目で統計史上最高」

前回は「実は始まっていた!?サウジの“駆け込み増産”」として、OPECのリーダー格であるサウジの原油生産量について書きました。

今回は、“駆け込み増産”をしてまで協調減産延長を目指しているとみられるサウジを横目に、増加し続ける米シェール主要地区の原油生産量について書きます。

昨日、EIAが月次の米シェール関連の統計を公表しました。

以下の資料のとおり、2019年10月、2つの項目が統計史上最高となりました。

一つは、以前の「米シェール生産を過去最高にした立役者とは!?」で述べた、新規1油井あたりの原油生産量です。

米シェール生産の生産効率、いわば“質”を支える重要な要素で、足元の米シェールオイル生産増加の立役者の一つです。

もう一つの統計史上最高は、同地区の原油生産量です。統計史上はじめて、日量900万バレルを超えました。

減産を実施するサウジの原油生産量まで、あと日量100万バレル弱に迫っています。

一方、リグ数は減少しました。およそ2年半前の水準まで減少中です。前年同月比、約20%も減少しました。

リグが減っても原油生産量が増える件は、以前の「現在は“リグ減・米原油生産量増”があたりまえ」などで書いた通りです。

今後も、DUCを取り崩す仕上げ作業が増えれば、リグは減っても生産量が増加する状態は続くとみられます。

次回以降、今回触れた2つの統計史上最高となったデータについて、書きます。

図:米シェール主要地区の概況(2019年10月)


出所:EIA(米エネルギー省)の資料をもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。