原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。55.34ドル/バレル近辺で推移。 金反発。米10年債利回りの低下などで。1,475.95ドル/トロイオンス近辺で推移。 上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年01月限は12,530元/トン付近で推移。 上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年01月限は443.3元/バレル付近で推移。 金・プラチナの価格差、ドル建てで561.25ドル(前日比0.75ドル縮小)、円建てで1,952円(前日比 変わらず)。価格の関係はともに金>プラチナ。 東京市場は以下のとおり。(11月20日 18時52分頃 先限) 金 5,136円/g 白金 3,184円/g 原油 37,600円/kl ゴム 185.6円/kg とうもろこし 22,880円/t ●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル) 出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より ●本日のグラフ「大規模油田の発見は、イランの減産延長不要の訴え!?」 今回は、以前の「イランで大規模油田が発見されたことについて」に関連し、「大規模油田が発見は、イランの減産延長不要の訴え!?」として、新たに見つかった同国の油田の埋蔵量について考えます。 イランは2019年11月時点で、米国の制裁下にあり、米国はイラン産原油を購入した国や企業を制裁の対象にするとしています。このため、2018年5月より、同国の原油生産量は大きく減少しています。 本推計では、イランの原油生産量について、減少前である2018年5月時点の日量380万バレルと、減少中にある2019年10月時点の日量210万バレルの2つを用います。 また、原油の確認埋蔵量は、以前の「イランで大規模油田が発見されたことについて」で述べた、増加後の1776億バレルと、増加前の1556億バレルの2つを用います。 以下の表のとおり、確認埋蔵量が220億バレル増加したことで、日量380万バレルで計算した場合、16年、日量210万バレルでは、28年、2つの生産量の平均である日量300万バレルでは、およそ20年、生産できる年数が長くなります。 なぜ、このような試算をしてみようと思ったのかと言えば、そもそもなぜ、このタイミングで埋蔵量が増加したという報道が出たのか、という疑問を抱いたためです。 産油国は減産という、供給を絞る行為を行うことによって、埋蔵量が有限である原油を生産できる年数(いわゆる可採年数)を長くすることができます。 今回の大規模油田発見によって、おおむね20年、可採年数が伸びたわけです。 生産できる年月が伸びたため、目先、生産量を大規模に絞って小出しにする必要性、つまり、減産を延長する必要性は、以前より低下した、という見方ができます。 協調減産延長が協議されているタイミングで、大規模油田の発見により埋蔵量が増加したという、アピールは、ある意味、減産延長不要を示唆する意図があったのかもしれません。 図:イランの原油埋蔵量(横軸)と原油生産量(縦軸)によって推計される可採年数 出所:OPECのデータおよび各種報道をもとに筆者作成