[Vol.1824] 金(ゴールド)上昇、原油高止まり継続か

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。74.53ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。2,677.70ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年01月限は19,645元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年11月限は543.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1664.7ドル(前日比8.90ドル縮小)、円建てで7,844円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月4日 18時40分時点 6番限)
12,549円/g
白金 4,705円/g
ゴム 396.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,048円/mmBtu(24年12月限 10月04日17時38分時点)

●NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「金(ゴールド)上昇、原油高止まり継続か」
前回は、「『2010年ごろ』を起点に考えることが重要」として、中国が保有する米国債残高と自由民主主義指数(世界平均)を確認しました。

今回は、「金(ゴールド)上昇、原油高止まり継続か」として、S&P500指数と金(ゴールド)の価格推移を確認します。

2010年ごろ以降、世界分断が深化していることは、世界のスマートフォンの販売台数、中国が保有する米国債残高や自由民主主義指数(世界平均)、中央銀行による金(ゴールド)の買い越し量の状況からも、明らかです。それに「SNS」と「ESG」が加担していることもまた、事実でしょう。

こうした点を見落としたまま、証券、債券、通貨、コモディティ、金利、暗号資産など、「市場」とつくものを分析することなど、到底できません。1年に1回訪れる10月4日(投資の日)は、こうした長期視点の時代の流れを再確認するのに大変に適しています。

投資の際は、近視眼的に目の前の値動きだけを追わず、世界全体において長期視点で起きている事象を意識する必要があります。長期視点の資産形成を行っている投資家だけでなく、短期視点でデイトレードを行っている投資家であっても、こうしたことを知っておくことは必要です。目の前の価格は、膨大な情報を織り込んでいるからです。

以下は、金(ゴールド)の長期視点の価格推移です。金(ゴールド)は歴史的高値を更新中です。

分析の際は長期視点の高水準であることを意識し、近視眼を取り除く必要があります。その上で短期的には、金(ゴールド)は代替通貨起因の上昇圧力が代替資産起因の下落圧力を打ち消して上昇、というシナリオをイメージするのが自然であると、筆者はみています。

日々、慌ただしく動く市場を見ていると、長期視点の世界情勢や各種市場の値位置に意識が行き渡らなくなる時があります。そのような時は、本レポートを読み返していただいたり、毎年の投資の日(10月4日)に思考をリセットしたりしてみるとよいでしょう。投資も人生も「長期視点」は、大変に重要だからです。

図:S&P500指数と金(ゴールド)の価格推移
図:S&P500指数と金(ゴールド)の価格推移
出所:LBMAおよびQUICKのデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。