内外共に史上最高値更新中(金相場)

著者:菊川 弘之
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 2024年1月16日付けの当欄コラム「2024年金相場見通し」で以下のように、今年の金相場を予想した。

 『NY金は、12月13日安値のネックラインを割り込まない限り、中長期の上昇トレンドは継続する。反対に、2023年12月28日高値を終値ベースで上抜いてくると、ダブルボトムが完成となり、トレンドフォロー型の買いが入りやすい。既に、20日間高値は更新しており、中長期的には買いが優勢な流れとなっている。2020年以降、上値抵抗として機能している心理的節目2100ドルを明確に上抜いてくると、レンジを大きく切り上げるだろう。レンジ(1600-2100ドル)の倍返しなら、2600ドルが上値目標となる。』

 『米国はすでに世界の先進工業民主主義国家で最も分裂し、機能不全に陥っている。誰が勝ってもこの問題を悪化させるだろう。投票結果は五分五分であり、唯一確実なのは、米国の社会構造、政治制度、国際的地位が傷つけられ続けるということだと指摘したが、ここ数年続いている金の上昇の大きなテーマ(米国の覇権・基軸通貨ドルの揺らぎ)は、2024年も継続、より強く・大きくマーケットで意識されるだろう。』

 『米国の威光が落ち込む中で政治的不安定さは増し、「安全資産」としての金が買われる流れは継続するだろう。インフレの度合いによって、緩やかに上昇するか、激しく上昇するかの違いだろう。』
 
 米大統領選挙では、両候補のいずれが勝利しても、米財政赤字は拡大する見通しだ。第二次世界大戦時の債務を超える規模となり、米国覇権・基軸通貨ドルの揺らぎは確実に振幅が大きくなっている。

米政府債務対GDP比と金年間平均価格
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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