[Vol.1834] 世界の民主主義は2010年頃にピークアウト

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。69.55ドル/バレル近辺で推移。

金反発。中東情勢の混迷などで。2,748.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年01月限は18,170元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年12月限は527.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1718.3ドル(前日比12.80ドル拡大)、円建てで8,300円(前日比74円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月21日 17時51分時点 6番限)
13,203円/g
白金 4,903円/g
ゴム 390.3円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,000円/mmBtu(24年12月限 10月15日17時54分時点)

●NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「世界の民主主義は2010年頃にピークアウト」
前回は、「中国は内憂外患が保有増加を継続させる動機」として、中央銀行を対象として行っているアンケート調査の結果を確認しました。

今回は、「世界の民主主義は2010年頃にピークアウト」として、自由民主主義指数(世界平均)(1903年~2023年)を確認します。

V-Dem研究所(スウェーデン)は、世界各国の民主主義に関わる情報を数値化して多数の指数を公表しています。自由民主主義指数もその一つです。この指数は0と1の間で決定し、0に接近すればするほど、その国が自由で民主的な度合いが低いことを、1に接近すればするほど自由で民主的な度合いが高いことを意味します。

以下のグラフは、過去120年間(1903年から2023年まで)の世界平均の推移です。

第一次世界大戦後、第二次世界大戦後、冷戦終結後に目立った上昇が見られました。民主主義を掲げ、建設的な話し合いを経て、世界が平和に向かう機運が高まった時代です。逆に、第二次世界大戦や東西冷戦の最中は低下しました。同指数はこの100年超、おおむね世界の民主主義の動向を反映してきたと言えます。

2023年の同指数の状況と、その人口シェアに注目すると、民主的度合いが低い国(0.4以下)の人口のシェアが77%、民主的度合いが高い国(0.6以上)が17%と、圧倒的に前者が優位です。率直に言って今、世界は民主主義が行き詰まり、分断状態にあります。2010年以降、こうした傾向が目立ってきています。

図:自由民主主義指数(世界平均)(1903年~2023年)
図:自由民主主義指数(世界平均)(1903年~2023年)
出所:V-Dem研究所のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。