原油反発。中東情勢の悪化などで。68.77ドル/バレル近辺で推移。
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,734.24ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年05月限は18,830元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は532.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1787.99ドル(前日比18.69ドル拡大)、円建てで8,624円(前日比30円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(12月11日 17時16分時点 6番限)
金 13,216円/g
白金 4,592円/g
ゴム 378.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,115円/mmBtu(25年3月限 12月09日17時43分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「原油はトランプ氏大統領選勝利でも高騰中」
前回は、「金(ゴールド)は有事でも価格下落が発生」として、ウクライナ戦争が勃発した2022年の金(ゴールド)市場の環境を確認しました。
今回は、「原油はトランプ氏大統領選勝利でも高騰中」として、OPECプラスの減産(イメージ)を確認します。
原油市場に関わる「偏向」とは、情報の発信者と受信者が、日本を苦しめているインフレ(物価高)の主因である原油価格高止まりという共通の敵が勢力を失ってほしいという、共通の願いで一致している状態です。こうした多くの人が異論を唱えない状態にも、偏向は存在します。
原油相場の動きを確認すると、トランプ氏が2024年の米大統領選挙で勝利した後も、およそ80ドルを挟んだ上下15ドル程度のレンジの中で高止まりしたままです。勝利をきっかけに原油相場が暴落するという思惑が広がりました。なぜ、原油相場はトランプ氏勝利でも、暴落していないのでしょうか。
原油相場が高止まりしている要因の一つに、OPECプラス(石油輸出国機構12カ国と非加盟の産油国10カ国で構成)の原油の減産が挙げられます。OPECプラスは閣僚級会合を原則として年に二回(6月初旬と12月初旬前後)実施しています(状況に応じて臨時に実施する場合あり)。これとは別にJMMC(共同閣僚監視委員会)を二カ月に一回、行っています。
OPECプラスの閣僚級会合は、主に2017年1月に始まった「協調減産」という、減産のベースとなる大きなプロジェクトの方針を変更したりする場です。「自主減産」についてはJMMCや随時実施する会合で方針を決定しています。
閣僚級会合とJMMCが重なった12月5日は、協調減産の期間延長(2026年12月まで1年間延長)と、自主減産の縮小実施(2025年4月から段階的に縮小させ、2026年後半に自主減産をほぼ終了)を決定しました。
下の図のとおり、自主減産は縮小しても、協調減産は継続します。自主減産の縮小は、余分に実施していた減産を、OPECプラスの管理下で段階的に縮小するものであり、OPECプラスの原油生産量を急増させるものではありません。
一部の報道では、自主減産の縮小を、「増産」と捉えていますが、OPECプラスの管理下で自主減産の縮小が行われるため、世界全体の需給バランスを大幅に緩ませる可能性は低いと考えるのが妥当だと筆者は考えています。このため、この言葉で自主減産の縮小を表現することは適切ではないと、筆者はみています。
米国に埋まっている化石燃料を「掘って、掘って、掘りまくれ!」と号令をかけたトランプ氏が米大統領選挙で勝利したことを受け、原油の需給が大きく緩み、価格が急落すると感じた市場関係者は少なくありませんでした。
ですが、OPECプラスの減産が一因となって上昇圧力がかかり、原油相場は高止まりしたままです。インフレ状態から脱却することを「願う」多くの人の思いが強まる中で、原油相場が高止まりしていることは、原油相場を分析する際に、偏向(願い)がいかにご法度であるかを教えてくれています。
図:OPECプラスの減産(イメージ) 単位:万バレル/日量
出所:ライスタッド・エナジー、JODIのデータおよびOPECの資料を基に筆者作成
金反発。米10年債利回りの反落などで。2,734.24ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年05月限は18,830元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は532.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1787.99ドル(前日比18.69ドル拡大)、円建てで8,624円(前日比30円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(12月11日 17時16分時点 6番限)
金 13,216円/g
白金 4,592円/g
ゴム 378.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,115円/mmBtu(25年3月限 12月09日17時43分時点)
●NY原油先物(期近) 日足 単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「原油はトランプ氏大統領選勝利でも高騰中」
前回は、「金(ゴールド)は有事でも価格下落が発生」として、ウクライナ戦争が勃発した2022年の金(ゴールド)市場の環境を確認しました。
今回は、「原油はトランプ氏大統領選勝利でも高騰中」として、OPECプラスの減産(イメージ)を確認します。
原油市場に関わる「偏向」とは、情報の発信者と受信者が、日本を苦しめているインフレ(物価高)の主因である原油価格高止まりという共通の敵が勢力を失ってほしいという、共通の願いで一致している状態です。こうした多くの人が異論を唱えない状態にも、偏向は存在します。
原油相場の動きを確認すると、トランプ氏が2024年の米大統領選挙で勝利した後も、およそ80ドルを挟んだ上下15ドル程度のレンジの中で高止まりしたままです。勝利をきっかけに原油相場が暴落するという思惑が広がりました。なぜ、原油相場はトランプ氏勝利でも、暴落していないのでしょうか。
原油相場が高止まりしている要因の一つに、OPECプラス(石油輸出国機構12カ国と非加盟の産油国10カ国で構成)の原油の減産が挙げられます。OPECプラスは閣僚級会合を原則として年に二回(6月初旬と12月初旬前後)実施しています(状況に応じて臨時に実施する場合あり)。これとは別にJMMC(共同閣僚監視委員会)を二カ月に一回、行っています。
OPECプラスの閣僚級会合は、主に2017年1月に始まった「協調減産」という、減産のベースとなる大きなプロジェクトの方針を変更したりする場です。「自主減産」についてはJMMCや随時実施する会合で方針を決定しています。
閣僚級会合とJMMCが重なった12月5日は、協調減産の期間延長(2026年12月まで1年間延長)と、自主減産の縮小実施(2025年4月から段階的に縮小させ、2026年後半に自主減産をほぼ終了)を決定しました。
下の図のとおり、自主減産は縮小しても、協調減産は継続します。自主減産の縮小は、余分に実施していた減産を、OPECプラスの管理下で段階的に縮小するものであり、OPECプラスの原油生産量を急増させるものではありません。
一部の報道では、自主減産の縮小を、「増産」と捉えていますが、OPECプラスの管理下で自主減産の縮小が行われるため、世界全体の需給バランスを大幅に緩ませる可能性は低いと考えるのが妥当だと筆者は考えています。このため、この言葉で自主減産の縮小を表現することは適切ではないと、筆者はみています。
米国に埋まっている化石燃料を「掘って、掘って、掘りまくれ!」と号令をかけたトランプ氏が米大統領選挙で勝利したことを受け、原油の需給が大きく緩み、価格が急落すると感じた市場関係者は少なくありませんでした。
ですが、OPECプラスの減産が一因となって上昇圧力がかかり、原油相場は高止まりしたままです。インフレ状態から脱却することを「願う」多くの人の思いが強まる中で、原油相場が高止まりしていることは、原油相場を分析する際に、偏向(願い)がいかにご法度であるかを教えてくれています。
図:OPECプラスの減産(イメージ) 単位:万バレル/日量
出所:ライスタッド・エナジー、JODIのデータおよびOPECの資料を基に筆者作成