原油反発。米主要株価指数の反発などで。68.38ドル/バレル近辺で推移。
金反発。中東情勢の悪化などで。2,687.81ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年05月限は18,530元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は526.7元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1741.86ドル(前日比10.06ドル拡大)、円建てで8,462円(前日比9円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(12月10日 18時04分時点 6番限)
金 13,049円/g
白金 4,587円/g
ゴム 367.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,115円/mmBtu(25年3月限 12月09日17時43分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「金(ゴールド)は有事でも価格下落が発生」
前回は、「わかりやすければ損をしてもよいのか?」として、「偏向報道」から考える市場関連情報の現状を確認しました。
今回は、「金(ゴールド)は有事でも価格下落が発生」として、ウクライナ戦争が勃発した2022年の金(ゴールド)市場の環境を確認します。
金(ゴールド)における偏向とは、情報の発信者が有事の金(ゴールド)、株と金(ゴールド)は逆相関、ドルと金(ゴールド)は逆相関という、同市場の部分的な要素を強調し、同時に情報の受信者が戦争の時の金(ゴールド)は買いだ、株価やドルが下落している時に金(ゴールド)が受け皿になってくれるなどと考え、双方が分かりやすい「共通認識」で一致している状態です。
実際のところ、西側と非西側の代理戦争という背景を持ち、世界規模の危機になったウクライナ戦争が勃発した2022年の金(ゴールド)の国際相場は、下落しました。有事発生でも、株価乱高下でも、金(ゴールド)の国際相場は下落したのです。
同年の騰落率であるマイナス0.43パーセントは、大きな規模ではありません。ですが、下落したことは確かです。この騰落率はLBMA(ロンドン貴金属教会)の価格を参照していますが、NYの金(ゴールド)先物も小幅なマイナスでした。
なぜ、あの2022年の金(ゴールド)の国際相場が下落したのでしょうか。マイナスが小幅だったことから、有事と株価乱高下起因の上昇圧力がかかりつつも、別途存在した下落圧力に上値を抑えられたことがうかがえます。当時の下落圧力は、同時進行した急激なドル高によって発生しました。
金(ゴールド)市場を分析するためには、時間軸ごとに、注目するテーマを分ける必要があります。短中期であれば、「有事ムード(有事発生時の資金の逃避先需要)」「代替資産(株の代わり)」「代替通貨(ドルの代わり)」の三つです。
中長期であれば、「中国・インドなどの宝飾需要」「鉱山会社の動向」「中央銀行の動向」の三つ、超長期であれば、西側と非西側の分断などで生じる「見えないリスク」です。三つの時間軸にわたる合計七つのテーマが金(ゴールド)市場を分析する際の大きなヒントになります。円建て金(ゴールド)の場合は、「ドル/円の変動」を追加します。
2022年という短中期的な時間軸における様子を示した図が、以下です。図の左側に示したとおり、有事ムードと代替資産起因の上昇圧力が発生していたものの、代替通貨起因の下落圧力に押され、その結果、小幅なマイナスとなりました。
当時、円建て金(ゴールド)は、急激なドル高の反対側の急激な円安がきっかけで、大幅に上昇しました。国際相場安、円安という環境にあったことから、円建て金(ゴールド)相場の大幅上昇はあくまで、円安をきっかけとした上昇であり、有事や株価乱高下による上昇ではなかったと言えます。
有事や株価乱高下という「共通認識」が浮上する中、金(ゴールド)の国際価格が下落したことは、金(ゴールド)相場を分析する際に、偏向(共通認識)がいかにご法度であるかを教えてくれています。
図:ウクライナ戦争が勃発した2022年の金(ゴールド)市場の環境(図の左側)
出所:筆者作成
金反発。中東情勢の悪化などで。2,687.81ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年05月限は18,530元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年01月限は526.7元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1741.86ドル(前日比10.06ドル拡大)、円建てで8,462円(前日比9円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(12月10日 18時04分時点 6番限)
金 13,049円/g
白金 4,587円/g
ゴム 367.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,115円/mmBtu(25年3月限 12月09日17時43分時点)
●NY金先物(期近) 日足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「金(ゴールド)は有事でも価格下落が発生」
前回は、「わかりやすければ損をしてもよいのか?」として、「偏向報道」から考える市場関連情報の現状を確認しました。
今回は、「金(ゴールド)は有事でも価格下落が発生」として、ウクライナ戦争が勃発した2022年の金(ゴールド)市場の環境を確認します。
金(ゴールド)における偏向とは、情報の発信者が有事の金(ゴールド)、株と金(ゴールド)は逆相関、ドルと金(ゴールド)は逆相関という、同市場の部分的な要素を強調し、同時に情報の受信者が戦争の時の金(ゴールド)は買いだ、株価やドルが下落している時に金(ゴールド)が受け皿になってくれるなどと考え、双方が分かりやすい「共通認識」で一致している状態です。
実際のところ、西側と非西側の代理戦争という背景を持ち、世界規模の危機になったウクライナ戦争が勃発した2022年の金(ゴールド)の国際相場は、下落しました。有事発生でも、株価乱高下でも、金(ゴールド)の国際相場は下落したのです。
同年の騰落率であるマイナス0.43パーセントは、大きな規模ではありません。ですが、下落したことは確かです。この騰落率はLBMA(ロンドン貴金属教会)の価格を参照していますが、NYの金(ゴールド)先物も小幅なマイナスでした。
なぜ、あの2022年の金(ゴールド)の国際相場が下落したのでしょうか。マイナスが小幅だったことから、有事と株価乱高下起因の上昇圧力がかかりつつも、別途存在した下落圧力に上値を抑えられたことがうかがえます。当時の下落圧力は、同時進行した急激なドル高によって発生しました。
金(ゴールド)市場を分析するためには、時間軸ごとに、注目するテーマを分ける必要があります。短中期であれば、「有事ムード(有事発生時の資金の逃避先需要)」「代替資産(株の代わり)」「代替通貨(ドルの代わり)」の三つです。
中長期であれば、「中国・インドなどの宝飾需要」「鉱山会社の動向」「中央銀行の動向」の三つ、超長期であれば、西側と非西側の分断などで生じる「見えないリスク」です。三つの時間軸にわたる合計七つのテーマが金(ゴールド)市場を分析する際の大きなヒントになります。円建て金(ゴールド)の場合は、「ドル/円の変動」を追加します。
2022年という短中期的な時間軸における様子を示した図が、以下です。図の左側に示したとおり、有事ムードと代替資産起因の上昇圧力が発生していたものの、代替通貨起因の下落圧力に押され、その結果、小幅なマイナスとなりました。
当時、円建て金(ゴールド)は、急激なドル高の反対側の急激な円安がきっかけで、大幅に上昇しました。国際相場安、円安という環境にあったことから、円建て金(ゴールド)相場の大幅上昇はあくまで、円安をきっかけとした上昇であり、有事や株価乱高下による上昇ではなかったと言えます。
有事や株価乱高下という「共通認識」が浮上する中、金(ゴールド)の国際価格が下落したことは、金(ゴールド)相場を分析する際に、偏向(共通認識)がいかにご法度であるかを教えてくれています。
図:ウクライナ戦争が勃発した2022年の金(ゴールド)市場の環境(図の左側)
出所:筆者作成