[Vol.1885] 金(ゴールド):上昇予想、投資機会続く

著者:吉田 哲
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金反発。ドル指数の反落などで。2,652.71ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年05月限は16,630元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年02月限は580.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1695.31ドル(前日比9.29ドル縮小)、円建てで8,704円(前日比50円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月7日 18時28分時点 6番限)
13,471円/g
白金 4,767円/g
ゴム 357.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,960円/mmBtu(25年4月限 12月19日17時25分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「金(ゴールド):上昇予想、投資機会続く」
前回は、「『トランプ2.0』とともに始まる2025年」として、米国の自由民主主義指数を確認しました。

今回は、「金(ゴールド):上昇予想、投資機会続く」として、金(ゴールド)市場を取り巻く環境(2024年)を確認します。

2024年の金(ゴールド)相場は、歴史的高値に達する急騰劇を演じました。海外の金(ゴールド)相場は前年末比で最大およそ35%、国内は44%、上昇しました。また、2024年は国内外の主要な株価指数が歴史的高値を更新した年でもありました。

歴史的な高値水準で「株高・金(ゴールド)高」が実現したのは、以下のとおり、株高の局面でも金(ゴールド)相場を上昇させる圧力が存在したためです。

株高が目立って「代替資産(株の代わり)」起因の下落圧力が強まる局面でも、ウクライナ・中東情勢の悪化がきっかけで「有事ムード(資金の逃避先需要)」が強まったり、米国の利下げ観測によってドル安観測が浮上して「代替通貨(ドルの代わり)」起因の上昇圧力が強まったりして、金(ゴールド)相場は上昇しました。

また、こうした短中期視点の材料がもたらす上下の圧力だけでなく、中長期視点の材料である、金(ゴールド)の全需要のおよそ20%を超える需要(2023年)を担う中央銀行の買いが続いたこと、超長期視点の材料で2025年の全体観に関わる世界分裂やSNS・ESGをきっかけとした混乱を言い換えた「見えないジレンマ」が底流したことも、上昇圧力をもたらしました。

2024年の金(ゴールド)相場は、過去の常識(株と金(ゴールド)は逆相関)をものともせず、力強い上昇を演じました。2025年もこうした環境が続くと筆者は考えています。

しばしば発生が予想される、株高をきっかけとした「代替資産」関連の下落圧力と、ドル高をきっかけとした「代替通貨」関連の下落圧力を受け、短期的に上下する場面はありながらも、全体的には上値を切り上げると、筆者はみています。

2025年年末時点で、海外金(ゴールド)現物価格は1トロイオンス当たり3,000ドルに、国内地金大手小売価格は1グラム当たり1万6,000円(大阪の先物価格は1万4,500円)に到達していると考えています。

図:金(ゴールド)市場を取り巻く環境(2024年)
図:金(ゴールド)市場を取り巻く環境(2024年)
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。