[Vol.1902] トランプ2.0下で予想される日本での事象

著者:吉田 哲
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原油反発。ドル指数の反発などで。72.62ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。2,846.89ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)春節のため休場。

上海原油(上海国際能源取引中心)春節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1813.04ドル(前日比5.16ドル縮小)、円建てで9,153円(前日比2円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月31日 18時33分時点 6番限)
13,964円/g
白金 4,811円/g
ゴム 391.8円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,960円/mmBtu(25年4月限 12月19日17時25分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「トランプ2.0下で予想される日本での事象」
前回は、「用意周到のOPECプラスは高値維持へ画策中」として、OPECプラスの減産(イメージ)を確認しました。

今回は、「トランプ2.0下で予想される日本での事象」として、日本の原油および天然ガス輸入単価とWTI原油価格を確認します。

この数回で述べてきたとおり、トランプ2.0の環境下では、原油相場は高止まりしたり、上昇したりしやすくなると、考えられます。

この結果、以下のように、国際的な原油価格の指標になり得るWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油価格と連動する傾向がある、日本の原油と天然ガスの輸入単価(輸入額の合計÷輸入量の合計)が高止まりしたり、上昇したりしやすい環境が続く可能性があります。(WTI原油価格に比べて、原油の輸入価格が目立って上振れしている期間は、円安が大幅に進行した期間です)

原油の輸入単価の高止まりは日本国内の輸送コストを高止まりさせ、天然ガスの輸入単価の高止まりは日本国内の電力価格を高止まりさせる要因になり得ます。

足元、日本国内では生鮮食品やエネルギーの価格上昇が目立っています。この傾向が続くかどうか、そのカギを握っている人物が、トランプ米大統領だと言っても過言ではありません。引き続き、彼の一挙手一投足に、関心を寄せ続けたいと思います。

図:日本の原油および天然ガス輸入単価とWTI原油価格 1999年を100として指数化
図:日本の原油および天然ガス輸入単価とWTI原油価格 1999年を100として指数化
出所:財務省および世界銀行のデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。