原油反発。中東情勢の緊迫化などで。68.16ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。3,036.91ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年05月限は16,940元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年05月限は534.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2047.46ドル(前日比4.34ドル縮小)、円建てで10,069円(前日比6円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(3月21日 大引け時点 6番限)
金 14,672円/g
白金 4,603円/g
ゴム 349.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,030円/mmBtu(25年7月限 3月19日17時18分時点)
●NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「二つの顔を見極め、時流に即して分析を」
前回は、「有事に限界あり、株と金の順相関もある」として、S&P500指数と金(ゴールド)価格の推移を確認しました。
今回は、「二つの顔を見極め、時流に即して分析を」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマを確認します。
とかく金(ゴ―ルド)は、イメージで語られやすい存在です。1970年代後半に大規模な有事が多発したことを受けて一時的に価格が上昇したり、1980・1990年代に株価が大きく上昇したことを受けて下落を強いられたりした時のイメージが、根強く残っています。
なぜ、イメージで語ってはならないのでしょうか。それは、イメージと実態が異なるケースが散見されるからです。前回述べたように、現代の金(ゴールド)相場は有事の影響だけで形成されていませんし、株と逆相関でない状態が常態化しています。
なぜ、イメージではなく実態を優先する必要があるのでしょうか。それは、実態が投資家の皆さまの損益に直結するからです。イメージと実態が異なるケースが散見されている以上、投資家を含む市場関係者はイメージよりも実態に目を向ける必要があるのです。
筆者は、金(ゴールド)は二つの顔を持っていると考えています。一つは経済指標の顔、もう一つは市場の顔です。イメージを優先しているのは、経済指標の顔です。
金(ゴールド)相場が上昇している様子を見て、おどろおどろしいことが起きていると、怖がらせるような情報を発信したり、情報の受け手が事態をそのように理解したりする、金(ゴールド)相場を有事の度合いのバロメーターとして扱うケースです。
1970年代後半の「有事の金(ゴールド)買い」が、引き合いに出されるケースもあります。こうした情報は感覚的に理解しやすいため、分かりやすい、という特徴があります。
もう一つの顔は、市場の顔です。これは実態です。一般に、市場は価格形成が行われる場です。金(ゴールド)価格が上がると考える投資家と下がると考える投資家の思惑が交錯し、その思惑の成れの果てに価格という「実態」が形成されます。
価格は、投資の結果であり、投資家の損失や利益そのものです。その意味では、投資家を含む市場関係者は、市場にこそ、注目しなければなりません。金(ゴールド)価格が高騰し、注目が集まっているからこそ、経済指標としてではなく、市場としての金(ゴールド)を認識する必要があります。
分かりやすさに甘え、市場を無視した情報発信はNG行為です。
分かりやすいから、過去にそうだったから、有名人が言っているから、などを理由とし、実態の一部だけを切り取った情報発信をしてしまうと、お客さまとの間の情報の非対称性を大きくし、金融庁が定める顧客本位の業務運営(フィデューシャリー)を損ねることになりかねません。こうした事態を回避するために、以下の「三本の矢」が役立ちます。
金(ゴールド)に関わる材料を、三つの時間軸のいずれか、かつ七つのテーマのいずれかに分類していきます。そうすることで、足元の金(ゴールド)相場の「ほぼ実態」が見えてきます。
その結果、短中期的に価格が上昇すると思えば、短中期の投資手法になじむ商品先物やCFDで、中長期・超長期的に価格が上昇すると思えば、純金積み立てや投資信託、国内外のETF(上場投資信託)などで売買を行う、という売買手法に落とし込むことも可能です。
また、ここ最近、デモクラシー(民主主義)がクライシス(危機)に直面している様子を、デモクライシスと表現されているのを目にします。SNSのマイナス面の影響が拡大していることが大きな要因だといえます。
SNSは、ニセ情報、誤情報、誹謗中傷、感情噴出がいとも簡単に横行する世界です。これらはいずれも、民主主義の考え方に反します。2010年ごろ以降、世界的にSNSが普及したことをきっかけに、世界中で特に選挙において、マイナス面が目立ち始めました。
このことは、「三本の矢」で示した「見えないジレンマ」の、SNS・ESG起因の混乱を大きくしたり、西側・非西側の分断を深めたりする、超長期視点の金(ゴールド)相場に上昇圧力をかけ得る要因です。
また、米ドルにおいて通貨堕落という、当該通貨の価値が薄まってしまう懸念が大きくなりつつあります。ドル通貨の総量は、大規模な金融緩和を経て記録的な高水準で推移しています。このことは、ドル覇権の不透明感を強め、超長期視点の金(ゴールド)相場に上昇圧力をかけ得る要因です。
良かれと思って開発したSNSが、良かれと思って行った金融緩和が、かえって世界にマイナスの事象を広げ、それが長期視点で金(ゴールド)相場に上昇圧力をかけていると、考えられます。もともと良かれと思って始めた事象であるため、世界から取り除くことは困難だといえます。
この数回で、金(ゴールド)相場が、3,000ドルという記録的な水準に達したことを受け、これから金(ゴールド)を投資対象にしてみたいと考えている方々や、すでに金(ゴールド)に興味を持たれている方々に、イメージに頼らない、実態に即した分析をお届けすべく、情報をまとめました。今後の金(ゴールド)相場の分析に役立てば幸いです。
図:金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマ(2025年3月時点)

出所:筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。3,036.91ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年05月限は16,940元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年05月限は534.5元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2047.46ドル(前日比4.34ドル縮小)、円建てで10,069円(前日比6円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(3月21日 大引け時点 6番限)
金 14,672円/g
白金 4,603円/g
ゴム 349.5円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,030円/mmBtu(25年7月限 3月19日17時18分時点)
●NY金先物 月足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「二つの顔を見極め、時流に即して分析を」
前回は、「有事に限界あり、株と金の順相関もある」として、S&P500指数と金(ゴールド)価格の推移を確認しました。
今回は、「二つの顔を見極め、時流に即して分析を」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマを確認します。
とかく金(ゴ―ルド)は、イメージで語られやすい存在です。1970年代後半に大規模な有事が多発したことを受けて一時的に価格が上昇したり、1980・1990年代に株価が大きく上昇したことを受けて下落を強いられたりした時のイメージが、根強く残っています。
なぜ、イメージで語ってはならないのでしょうか。それは、イメージと実態が異なるケースが散見されるからです。前回述べたように、現代の金(ゴールド)相場は有事の影響だけで形成されていませんし、株と逆相関でない状態が常態化しています。
なぜ、イメージではなく実態を優先する必要があるのでしょうか。それは、実態が投資家の皆さまの損益に直結するからです。イメージと実態が異なるケースが散見されている以上、投資家を含む市場関係者はイメージよりも実態に目を向ける必要があるのです。
筆者は、金(ゴールド)は二つの顔を持っていると考えています。一つは経済指標の顔、もう一つは市場の顔です。イメージを優先しているのは、経済指標の顔です。
金(ゴールド)相場が上昇している様子を見て、おどろおどろしいことが起きていると、怖がらせるような情報を発信したり、情報の受け手が事態をそのように理解したりする、金(ゴールド)相場を有事の度合いのバロメーターとして扱うケースです。
1970年代後半の「有事の金(ゴールド)買い」が、引き合いに出されるケースもあります。こうした情報は感覚的に理解しやすいため、分かりやすい、という特徴があります。
もう一つの顔は、市場の顔です。これは実態です。一般に、市場は価格形成が行われる場です。金(ゴールド)価格が上がると考える投資家と下がると考える投資家の思惑が交錯し、その思惑の成れの果てに価格という「実態」が形成されます。
価格は、投資の結果であり、投資家の損失や利益そのものです。その意味では、投資家を含む市場関係者は、市場にこそ、注目しなければなりません。金(ゴールド)価格が高騰し、注目が集まっているからこそ、経済指標としてではなく、市場としての金(ゴールド)を認識する必要があります。
分かりやすさに甘え、市場を無視した情報発信はNG行為です。
分かりやすいから、過去にそうだったから、有名人が言っているから、などを理由とし、実態の一部だけを切り取った情報発信をしてしまうと、お客さまとの間の情報の非対称性を大きくし、金融庁が定める顧客本位の業務運営(フィデューシャリー)を損ねることになりかねません。こうした事態を回避するために、以下の「三本の矢」が役立ちます。
金(ゴールド)に関わる材料を、三つの時間軸のいずれか、かつ七つのテーマのいずれかに分類していきます。そうすることで、足元の金(ゴールド)相場の「ほぼ実態」が見えてきます。
その結果、短中期的に価格が上昇すると思えば、短中期の投資手法になじむ商品先物やCFDで、中長期・超長期的に価格が上昇すると思えば、純金積み立てや投資信託、国内外のETF(上場投資信託)などで売買を行う、という売買手法に落とし込むことも可能です。
また、ここ最近、デモクラシー(民主主義)がクライシス(危機)に直面している様子を、デモクライシスと表現されているのを目にします。SNSのマイナス面の影響が拡大していることが大きな要因だといえます。
SNSは、ニセ情報、誤情報、誹謗中傷、感情噴出がいとも簡単に横行する世界です。これらはいずれも、民主主義の考え方に反します。2010年ごろ以降、世界的にSNSが普及したことをきっかけに、世界中で特に選挙において、マイナス面が目立ち始めました。
このことは、「三本の矢」で示した「見えないジレンマ」の、SNS・ESG起因の混乱を大きくしたり、西側・非西側の分断を深めたりする、超長期視点の金(ゴールド)相場に上昇圧力をかけ得る要因です。
また、米ドルにおいて通貨堕落という、当該通貨の価値が薄まってしまう懸念が大きくなりつつあります。ドル通貨の総量は、大規模な金融緩和を経て記録的な高水準で推移しています。このことは、ドル覇権の不透明感を強め、超長期視点の金(ゴールド)相場に上昇圧力をかけ得る要因です。
良かれと思って開発したSNSが、良かれと思って行った金融緩和が、かえって世界にマイナスの事象を広げ、それが長期視点で金(ゴールド)相場に上昇圧力をかけていると、考えられます。もともと良かれと思って始めた事象であるため、世界から取り除くことは困難だといえます。
この数回で、金(ゴールド)相場が、3,000ドルという記録的な水準に達したことを受け、これから金(ゴールド)を投資対象にしてみたいと考えている方々や、すでに金(ゴールド)に興味を持たれている方々に、イメージに頼らない、実態に即した分析をお届けすべく、情報をまとめました。今後の金(ゴールド)相場の分析に役立てば幸いです。
図:金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマ(2025年3月時点)

出所:筆者作成