[Vol.1954] 注目材料と戦略の方向性を合わせること

著者:吉田 哲
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原油反発。米先物市場は休場。

金反落。米先物市場は休場。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年09月限は14,590元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年06月限は490.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2364.4ドル(前日比5.20ドル縮小)、円建てで10,899円(前日比41円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月18日 19時02分時点 6番限)
15,295円/g
白金 4,396円/g
ゴム 291.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)

●NY金先物 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 日足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「注目材料と戦略の方向性を合わせること」
前回は、「あなたに合う銘柄を選ぶ『五つのフロー』」として、NISAを使った金(ゴールド)投資を行う際のフロー(例)を確認しました。

今回は、「注目材料と戦略の方向性を合わせること」として、グローバルな金(ゴールド)市場に関わる材料(一例)と売買戦略を確認します。

前回述べた選択肢1の「材料」について、補足します。注目した材料が何であるかで、「機動的な売買」なのか「積立投資」なのかが決まる、という考え方です。

下の図のとおり、有事ムード、代替資産、代替通貨といった短中期的な材料に注目した場合に行う売買は、ETFや関連個別株を用いたデイトレードを含む機動的な売買、中央銀行の金(ゴールド)保有高や世界分断などの、時間軸が長期の材料に注目した場合は、長期を前提とした積立投資で購入することが、想定されます。

短中期的な材料に注目しつつ積立投資をする、あるいは中長期・超長期的な材料に注目をしつつ機動的な売買をすることは、実態になじまない、ということです。(取引をしているさなかに、注目している材料と目の前の価格動向が食い違っていることに気が付くと思います)

具体的には、中央銀行の動向に注目してデイトレードをする、短期的な株価の急落に注目して積立を開始する、などです。

この数回で、NISAを活用した金(ゴールド)投資について述べました。NISAを活用する上で欠かせない前提条件、具体的な銘柄、どのような人にどの銘柄が合うか、銘柄選定のフローなどを紹介しました。今後のNISAを活用した金(ゴールド)投資に、お役立ていただけましたら、幸いです。

図:グローバルな金(ゴールド)市場に関わる材料(一例)と売買戦略
図:グローバルな金(ゴールド)市場に関わる材料(一例)と売買戦略
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。