[Vol.1953] あなたに合う銘柄を選ぶ「五つのフロー」

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。63.00ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。3,334.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年09月限は14,640元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年06月限は482.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2368.55ドル(前日比2.25ドル拡大)、円建てで10,928円(前日比33円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月17日 17時46分時点 6番限)
15,302円/g
白金 4,374円/g
ゴム 294.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)

●NY金先物 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 日足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「あなたに合う銘柄を選ぶ『五つのフロー』」
前回は、「具体的な銘柄、配当が得られるものもある」として、NISAで利用できる金(ゴールド)商品の具体例(2025年4月14日時点)を確認しました。

今回は、「あなたに合う銘柄を選ぶ『五つのフロー』」として、NISAを使った金(ゴールド)投資を行う際のフロー(例)を確認します。

NISAを使って金(ゴールド)投資を行う際、いくつか整理しておくべき点があります。このことを、以下のとおり「五つの選択」としてまとめました。

1.材料(=取引手法)、2.地域、3.投資枠、4.分野、5.銘柄の順に選択することで、ご自身の意図にできるだけ近い、成長投資枠を利用した金(ゴールド)の取引ができると考えます。

1の「材料」については、注目する材料によっておのずと売買手法が決まる、という考え方です。

例えば、戦争などの「有事ムード」や株との対比「代替資産(≒株との逆相関)」などの、時間軸が短中期の材料に注目した場合は、デイトレードを含む機動的な売買を行う、中央銀行の金(ゴールド)保有高や世界分断などの、時間軸が長期の材料に注目した場合は、長期を前提とした積立投資で購入する、などです。

2の「地域」については、グローバル(ドル建て)なのか、日本(円建て)なのかの選択です。「グローバル」は、米国を中心とした世界全体の有事ムードや物価動向、中央銀行の動向などを反映しやすい傾向があります。

一方、「日本」は、グローバルな金(ゴールド)の価格動向に追随しつつ、ドル/円相場の影響を受けます。基本的に、円安は円建て金に上昇圧力、円高は円建て金に下落圧力をかけ得るため、2の選択時は、ドル/円の方向性を参考にすることになります。

とはいえ、「日本」は、グローバルな金(ゴールド)の価格動向に追随することが基本路線であるため、ドル/円の動向を最重要視することはありません。

3の「投資枠」については、現行の制度において、「成長投資枠」のみです。4の「分野」については、「投資信託」「ETF」「個別株」から選択します。最低投資額や、ポイント投資ができるか、クレジットカード決済ができるか、配当を受け取ることができるか、などが選択の基準になります。

5の「銘柄」は、金(ゴールド)相場との連動性の高さや、諸コストの額などが選択の基準になります。こうした五つの選択肢を経て、具体的な銘柄の選択がなされます。

図:NISAを使った金(ゴールド)投資を行う際のフロー(例)
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出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。