原油反落。米主要株価指数の反落などで。58.94ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。3,267.31ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)休場。
上海原油(上海国際能源取引中心)休場。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2289.81ドル(前日比34.71ドル拡大)、円建てで10,895円(前日比17円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月2日 17時41分時点 6番限)
金 15,306円/g
白金 4,411円/g
ゴム 296.6円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)
●NY金先物 日足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「超長期視点で底上げする『世界分断』」
前回は、「中長期視点で相場を支える『中央銀行』」として、中央銀行による金(ゴールド)買い越し量の推移(1950~2024年)を確認しました。
今回は、「超長期視点で底上げする『世界分断』」として、2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景を確認します。
「第三の矢」は、超長期的な上昇トレンドを支える上昇圧力です。十数年、数十年に及ぶ長期の上昇トレンドの土台を担う要素で、筆者は「世界分断」がそれにあたると考えています。
ここで言う「世界分断」は、人類が良かれと思って生み出したものの、知らず知らずのうちにマイナスの要素を含むようになった考え方や技術が一因で発生している事象です。
「世界分断」が金相場に長期視点の上昇圧力をかけ始めたのは2010年ごろだったと考えられます。世界の自由民主主義指数が目立った下落を演じ始めたのが2010年ごろだったためです。
同指数は、V-Dem研究所(スウェーデン)が算出・公表する「自由民主主義指数(Liberal democracy index)」です。
行政の抑制と均衡、市民の自由の尊重、法の支配、立法府と司法の独立性など、自由や民主主義に関する多数の要素が考慮されています。0と1の間で決定し、0に近ければ近いほど、その国は自由度・民主度が低く、1に近ければ近いほど、自由度・民主度が高いことを意味します。
2010年ごろに同指数が低下し始めたことは、世界の民主主義が停滞し始めたことを示唆しています。また、2024年時点では、同指数が0.4以下の比較的自由度・民主度が低い国に住む人口のシェアはおよそ77%、0.6以上の比較的自由度・民主度が高い国に住む人口のシェアは17%です。
率直に言って今、世界は民主主義が行き詰まり、分断が目立ち始めています。民主主義をよしとする欧米が中心の西側と(日本を含む)、そうでない非西側の間に明確な溝が生じています。
なぜ、世界の民主主義が停滞し始めたのでしょうか。世界で拡大し始めた新しい技術・考え方の「マイナス面」が目立ち始めたことが原因と考えられます。2010年ごろ以降、しばらくの間、人類が本格的に開発を進めてきた技術(SNSやAIなど)や推進してきた考え方(ESGやDEI)は、確かに社会にプラスの影響をもたらしました。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、人々のコミュニケーションを円滑にし、AI(人工知能)は膨大な作業を効率化しました。ESG(環境・社会・企業統治)は環境保護や人権保護の機運を高め、DEI(多様性・公平性・包摂性)は他者を認める心を育んだりしました。これらは確かに、社会を良くしました。
しかし、行き過ぎてしまったことで「マイナス面」が目立ち始めました。
SNSはデマ・誹謗中傷・感情噴出が横行する場となり、AIは人類から最後の資産といわれる思考を奪い、ESGは資源国を窮地に追い込み、DEIはキャンセルカルチャー(好ましくないと考える人や組織を一方的に批判したり、不買運動を行ったりすること)の温床という側面が強くなってしまいました。これらはどれも、民主主義が目指す方向と真逆を向いています。
こうして目立ち始めた民主主義の停滞は、世界分断を加速させ、戦争勃発・悪化の一因となったり、資源を持つ非西側諸国に資源の武器利用(出し渋り)を促し、さまざまな品目の価格を高騰させて長期視点の高インフレの環境をつくり出したりしました。戦争も高インフレも、金(ゴールド)相場を押し上げる強い材料になり得ます。
新技術・考え方は良かれと思って人類が生み出しました。それゆえ、それらを撤回する動きは発生しにくいと言えます。
つまりそれは、今後も、長期視点でこれら起因のマイナス面が世界の民主主義を停滞させ、戦争やインフレが加速することを意味し、金(ゴールド)相場はその流れに乗って、長期上昇トレンドを維持する可能性があることを示唆しています。
短中期的には細かい上げ下げはあるものの、超長期視点では、まだまだ、金(ゴールド)相場は上昇する可能性がある(5,000ドルも絵空事ではない)と、筆者は考えています。
図:2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景

出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。3,267.31ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)休場。
上海原油(上海国際能源取引中心)休場。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2289.81ドル(前日比34.71ドル拡大)、円建てで10,895円(前日比17円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(5月2日 17時41分時点 6番限)
金 15,306円/g
白金 4,411円/g
ゴム 296.6円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,097円/mmBtu(25年7月限 3月21日17時47分時点)
●NY金先物 日足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「超長期視点で底上げする『世界分断』」
前回は、「中長期視点で相場を支える『中央銀行』」として、中央銀行による金(ゴールド)買い越し量の推移(1950~2024年)を確認しました。
今回は、「超長期視点で底上げする『世界分断』」として、2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景を確認します。
「第三の矢」は、超長期的な上昇トレンドを支える上昇圧力です。十数年、数十年に及ぶ長期の上昇トレンドの土台を担う要素で、筆者は「世界分断」がそれにあたると考えています。
ここで言う「世界分断」は、人類が良かれと思って生み出したものの、知らず知らずのうちにマイナスの要素を含むようになった考え方や技術が一因で発生している事象です。
「世界分断」が金相場に長期視点の上昇圧力をかけ始めたのは2010年ごろだったと考えられます。世界の自由民主主義指数が目立った下落を演じ始めたのが2010年ごろだったためです。
同指数は、V-Dem研究所(スウェーデン)が算出・公表する「自由民主主義指数(Liberal democracy index)」です。
行政の抑制と均衡、市民の自由の尊重、法の支配、立法府と司法の独立性など、自由や民主主義に関する多数の要素が考慮されています。0と1の間で決定し、0に近ければ近いほど、その国は自由度・民主度が低く、1に近ければ近いほど、自由度・民主度が高いことを意味します。
2010年ごろに同指数が低下し始めたことは、世界の民主主義が停滞し始めたことを示唆しています。また、2024年時点では、同指数が0.4以下の比較的自由度・民主度が低い国に住む人口のシェアはおよそ77%、0.6以上の比較的自由度・民主度が高い国に住む人口のシェアは17%です。
率直に言って今、世界は民主主義が行き詰まり、分断が目立ち始めています。民主主義をよしとする欧米が中心の西側と(日本を含む)、そうでない非西側の間に明確な溝が生じています。
なぜ、世界の民主主義が停滞し始めたのでしょうか。世界で拡大し始めた新しい技術・考え方の「マイナス面」が目立ち始めたことが原因と考えられます。2010年ごろ以降、しばらくの間、人類が本格的に開発を進めてきた技術(SNSやAIなど)や推進してきた考え方(ESGやDEI)は、確かに社会にプラスの影響をもたらしました。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、人々のコミュニケーションを円滑にし、AI(人工知能)は膨大な作業を効率化しました。ESG(環境・社会・企業統治)は環境保護や人権保護の機運を高め、DEI(多様性・公平性・包摂性)は他者を認める心を育んだりしました。これらは確かに、社会を良くしました。
しかし、行き過ぎてしまったことで「マイナス面」が目立ち始めました。
SNSはデマ・誹謗中傷・感情噴出が横行する場となり、AIは人類から最後の資産といわれる思考を奪い、ESGは資源国を窮地に追い込み、DEIはキャンセルカルチャー(好ましくないと考える人や組織を一方的に批判したり、不買運動を行ったりすること)の温床という側面が強くなってしまいました。これらはどれも、民主主義が目指す方向と真逆を向いています。
こうして目立ち始めた民主主義の停滞は、世界分断を加速させ、戦争勃発・悪化の一因となったり、資源を持つ非西側諸国に資源の武器利用(出し渋り)を促し、さまざまな品目の価格を高騰させて長期視点の高インフレの環境をつくり出したりしました。戦争も高インフレも、金(ゴールド)相場を押し上げる強い材料になり得ます。
新技術・考え方は良かれと思って人類が生み出しました。それゆえ、それらを撤回する動きは発生しにくいと言えます。
つまりそれは、今後も、長期視点でこれら起因のマイナス面が世界の民主主義を停滞させ、戦争やインフレが加速することを意味し、金(ゴールド)相場はその流れに乗って、長期上昇トレンドを維持する可能性があることを示唆しています。
短中期的には細かい上げ下げはあるものの、超長期視点では、まだまだ、金(ゴールド)相場は上昇する可能性がある(5,000ドルも絵空事ではない)と、筆者は考えています。
図:2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景

出所:筆者作成