[Vol.1987] 資産の額が最も大きくなったパターンは?

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。64.66ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。3,343.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。25年09月限は13,725元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年07月限は474.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2127.7ドル(前日比50.80ドル縮小)、円建てで10,185円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月9日 17時55分時点 6番限)
15,505円/g
白金 5,320円/g
ゴム 290.6円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物 月足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 月足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「資産の額が最も大きくなったパターンは?」
前回は、「超長期視点で金相場を底上げする『世界の分断』」として、中国が保有する米国債残高と自由民主主義指数(世界平均)を確認しました。

今回は、「資産の額が最も大きくなったパターンは?」として、積立シミュレーションにおける価格推移を確認します。

「積立投資」は、多くの投資家の皆さまがご利用になられている取引手法です。NISAやiDecoなどでもおなじみですが、積立投資で資産の額を大きくするには、実はちょっとした「コツ」があります。今後数回にわけて、金(ゴールド)とプラチナの例に触れつつ解説します。

まずは、クイズです。以下の三つのパターンで積立投資をした場合、最終的な資産の額が最も大きくなるのは、どのパターンでしょうか。

「上昇継続パターン」は、10,000円でスタートし、最初の10年間で12,500円に上昇、次の10年間は12,500円のままで、最後の10年間で2,500円上昇して最終的に15,000円で取引を終えるパターンです。価格が歴史的な水準を大きく更新するパターンです。

「下落後 回復パターン」は、10,000円でスタートし、最初の10年間で7,500円に下落、次の10年間は7,500円のままで、最後の10年間で2,500円上昇して最終的に10,000円で取引を終えるパターンです。下落するものの、価格が元の水準に回復するパターンです。

「低迷後 反発パターン」は、2,500円でスタートし、最初の10年間と次の10年間は2,500円のままで、最後の10年間で2,500円上昇して最終的に5,000円で取引を終えるパターンです。長期的に低迷を強いられるものの、最終的な価格水準は取引開始時の2倍になるパターンです。

どのパターンも、取引期間は30年間で、月々の積立金額は10,000円、手数料は買い付け時に1.65%(税込)、分配・配当金なし、再投資せず、という条件です。

さて、どのパターンの最終的な資産の額が、最も大きくなるでしょうか。ヒントは、積立投資における最終的な資産の額は、最終的な「保有数量」に最終的な「市場価格」をかけて計算する、です。

図:積立シミュレーション(1)(価格推移) 単位:円/グラム
図:積立シミュレーション(1)(価格推移) 単位:円/グラム
出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。