原油反落。米主要株価指数の反落などで。63.97ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。3,423.32ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年01月限は15,885元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年10月限は496.1元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2092.32ドル(前日比13.62ドル拡大)、円建てで10,295円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(8月26日 17時52分時点 6番限)
金 16,165円/g
白金 5,870円/g
ゴム 320.2円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY金先物 日足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「伝統が織りなす短期視点の株高・金(ゴールド)高」
前回は、「金市場で伝統的材料と非伝統的材料が両立」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマを、確認しました。
今回は、「伝統が織りなす短期視点の株高・金(ゴールド)高」として、FRBの利下げ時の国内外の金(ゴールド)相場への影響を、確認します。
前回述べた伝統的材料による値動きの例を確認します。主要国の財務大臣が一堂に会する年に一度の会合「ジャクソンホール会合」で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行った時間帯前後の値動きです。2025年は8月22日の夜(日本時間)でした。
米国では、2023年の年末ごろから利下げ(金利の誘導目標の引き下げ)の議論が始まりました。足元、各種市場が2025年の残りの三回の会合(米連邦公開市場委員会:FOMC)で、利下げを期待していることは、金利先物市場で算出された利下げ確率が高水準を維持していることからうかがえます。
利下げは、個人や企業の資金調達を容易にする景気回復策、という側面を持っています。このため、ジャクソンホール会合内での講演でパウエル議長が利下げを肯定する発言をすることが期待されていました。
実際にパウエル氏は、雇用情勢が悪化してリスクが高まる場合、「政策の方向性の調整が正当化される可能性がある」という趣旨の発言をし、今後、雇用関連の統計を見つつ、利下げを進める可能性を示唆しました。そして、パウエル氏の発言を好感し、米国の主要株価指数の一つであるS&P500種指数は急上昇しました。
金(ゴールド)相場もS&P500とほぼ同じタイミングで、ほぼ同じ程度の上昇を演じました。だいぶ昔、「株と金(ゴールド)は逆相関」といわれた時期がありましたが、現代の金(ゴールド)相場は必ずしもそうとは言い切れないことが分かります。
今回発生した「株高・金(ゴールド)高」は、以下の図で示した経路をたどって起きたと考えられます。各種市場が利下げを大いに期待する環境で、パウエル議長がそれを示唆したことで、市場のムードは利下げに傾きました。
これを受け、ドル指数(複数の主要国通貨に対する米ドルの強弱を示す指標)が大きく下落し、この大幅なドル安が、金利が付かない金(ゴールド)のデメリットを低下させたり、米ドルに対する金(ゴールド)の価値が向上する観測を浮上させたりしました。
同時に、世界全体における米ドルの信認低下・価値希薄化懸念が生じ、金(ゴールド)の代替通貨としての存在感を高めました。
株価指数が急上昇し、代替資産をきっかけとした下落圧力がかかる中、利下げ示唆をきっかけとした強い上昇圧力がその下落圧力を相殺し、金(ゴールド)価格は上昇しました。
また、円建て金(ゴールド)相場は、世界標準のドル建て金(ゴールド)相場の上昇を受けて上昇圧力がかかる中、ドル安と同時に発生した円高が下落圧力をもたらし、これらが相殺されてほぼ横ばいでした。
現代の金(ゴールド)相場は、短期的に見れば、伝統的材料がもたらす複数の上下の圧力が連続的に相殺され動いていると言えます。一つの材料のみで動いていない、上下の圧力が混在している、それらの圧力が連続的に相殺されていることが、この例から分かります。
図:FRBの利下げ時の国内外の金(ゴールド)相場への影響

出所:筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。3,423.32ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。26年01月限は15,885元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年10月限は496.1元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで2092.32ドル(前日比13.62ドル拡大)、円建てで10,295円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(8月26日 17時52分時点 6番限)
金 16,165円/g
白金 5,870円/g
ゴム 320.2円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)
●NY金先物 日足 単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成
●本日のグラフ「伝統が織りなす短期視点の株高・金(ゴールド)高」
前回は、「金市場で伝統的材料と非伝統的材料が両立」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマを、確認しました。
今回は、「伝統が織りなす短期視点の株高・金(ゴールド)高」として、FRBの利下げ時の国内外の金(ゴールド)相場への影響を、確認します。
前回述べた伝統的材料による値動きの例を確認します。主要国の財務大臣が一堂に会する年に一度の会合「ジャクソンホール会合」で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行った時間帯前後の値動きです。2025年は8月22日の夜(日本時間)でした。
米国では、2023年の年末ごろから利下げ(金利の誘導目標の引き下げ)の議論が始まりました。足元、各種市場が2025年の残りの三回の会合(米連邦公開市場委員会:FOMC)で、利下げを期待していることは、金利先物市場で算出された利下げ確率が高水準を維持していることからうかがえます。
利下げは、個人や企業の資金調達を容易にする景気回復策、という側面を持っています。このため、ジャクソンホール会合内での講演でパウエル議長が利下げを肯定する発言をすることが期待されていました。
実際にパウエル氏は、雇用情勢が悪化してリスクが高まる場合、「政策の方向性の調整が正当化される可能性がある」という趣旨の発言をし、今後、雇用関連の統計を見つつ、利下げを進める可能性を示唆しました。そして、パウエル氏の発言を好感し、米国の主要株価指数の一つであるS&P500種指数は急上昇しました。
金(ゴールド)相場もS&P500とほぼ同じタイミングで、ほぼ同じ程度の上昇を演じました。だいぶ昔、「株と金(ゴールド)は逆相関」といわれた時期がありましたが、現代の金(ゴールド)相場は必ずしもそうとは言い切れないことが分かります。
今回発生した「株高・金(ゴールド)高」は、以下の図で示した経路をたどって起きたと考えられます。各種市場が利下げを大いに期待する環境で、パウエル議長がそれを示唆したことで、市場のムードは利下げに傾きました。
これを受け、ドル指数(複数の主要国通貨に対する米ドルの強弱を示す指標)が大きく下落し、この大幅なドル安が、金利が付かない金(ゴールド)のデメリットを低下させたり、米ドルに対する金(ゴールド)の価値が向上する観測を浮上させたりしました。
同時に、世界全体における米ドルの信認低下・価値希薄化懸念が生じ、金(ゴールド)の代替通貨としての存在感を高めました。
株価指数が急上昇し、代替資産をきっかけとした下落圧力がかかる中、利下げ示唆をきっかけとした強い上昇圧力がその下落圧力を相殺し、金(ゴールド)価格は上昇しました。
また、円建て金(ゴールド)相場は、世界標準のドル建て金(ゴールド)相場の上昇を受けて上昇圧力がかかる中、ドル安と同時に発生した円高が下落圧力をもたらし、これらが相殺されてほぼ横ばいでした。
現代の金(ゴールド)相場は、短期的に見れば、伝統的材料がもたらす複数の上下の圧力が連続的に相殺され動いていると言えます。一つの材料のみで動いていない、上下の圧力が混在している、それらの圧力が連続的に相殺されていることが、この例から分かります。
図:FRBの利下げ時の国内外の金(ゴールド)相場への影響

出所:筆者作成