アラムコ株、上場後8%上昇

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。60.13ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,483.35ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は13,265元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年02月限は470.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで548.5ドル(前日比0.7ドル縮小)、円建てで1,914円(前日比1円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月17日 19時48分頃 先限)
 5,201円/g 白金 3,287円/g 原油 41,300円/kl
ゴム 201.9円/kg とうもろこし 24,350円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「アラムコ株、上場後8%上昇」

今回は、以前の「サウジアラムコの時価総額、一時2兆ドル到達」に続き、サウジアラムコの株価の推移と時価総額について書きます。

アラムコが上場したサウジ国内市場のタダウル市場の他、カタール証券取引所(カタール)やアブダビ証券取引所(UAE)などの中東の主な株式市場は、日曜日から木曜日まで、取引が行われています。

以下のグラフの日付の箇所に注目すると、主要国と同様、12月14日(土)は休場ですが、12月13日(金)も休場、逆に12月15日(日)は取引が行われています。

12月11日(水)の取引初日、制限値幅の上限(前日比10%高の35.2リヤル)まで上昇しました。その後、12日(木)にやや反落したものの、徐々に上値を伸ばす展開になってきています。(上場後8%上昇)

発行済株式数は2000億株と言われていおり、1リヤル=0.27ドルで計算すると、株価が37.05リヤルの時に、アラムコの時価総額が2兆ドルに達します。

徐々に株価が上値を伸ばしているため、2兆ドルを安定的なものにしつつあると言えます。

また、本日(12月17日)に、MSCI新興市場指数に採用されるとのことです。

同指数は、30カ国程度の新興国における大型株と中型株、およそ1,200銘柄で構成されている、新興国の株式を対象とする代表的な株価指数です。

また、今週中にタダウル市場の株価指数タダウル全株指数(TASI)に、月内にやFTSE指数に採用される予定とのことです。

アラムコの株価は、上場後、高止まりしており、時価総額も目標としていた2兆ドルを超えています。

株価を下落させないようにするためには、原油価格を下落させないことが重要でです。

このため、来年3月のOPEC総会で減産延長や強化が決定される可能性が高まっていると考えられます。

図:サウジアラムコの株価 単位:リヤル

出所:タダウル市場のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。