「水星逆行」期間前後の安値は、買い場を提供か?

著者:菊川 弘之
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 今年3回目の水星逆行(11月9日~29日)が訪れる。

 「水星逆行」期間は、政治や経済に関する相互に矛盾したデーターや発表が相次ぎ、金融市場が急激な乱高下に見舞われることがある。水星逆行は「トリックスター」で、この期間は、テクニカル的なダマシが出やすく、支持線や抵抗線が破られても、すぐに戻るフェイクアウト期間で、通常の数倍もの誤った売買シグナルが発生する。などと言われる。

 昨年からのNY金と水星逆行の関係を振り返ると、逆行期から逆行期明けにかけての急落場面がダマシとなり、次の上昇相場前の買い場となっている。

 「相場の最終局面は値動きが大きくなる」と言われるが、10月金相場は、まさにそのような値動きとなった。NY金(12月限)は、米政府機関の一部閉鎖や、米利下げ期待の高まり、米政権の関税政策や米連邦準備理事会(FRB)独立性への懸念、世界各地での地政学リスクなど複合的な要因が重なり、売り方の踏みを巻き込みながら4398ドル(10/20)までの大幅続伸となった。ただし、200日移動平均線との乖離率は、過去に類を見ない水準にまで拡大する中、10月20日は前日比ベースで過去最大の上昇幅、21日は、同最大の下落幅になるなど、出来高を伴いながらの高値圏の乱高下後、調整入りとなっている。マーケット・アストロロージ(マーケット占星術)では、新月(10月21日)天井となった格好だ。

NY金 2024年~2025年(水星逆行期)
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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