金相場、連日の高値更新も2月は調整に注意したい

著者:菊川 弘之
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 更に、日本では次期衆院選で与野党が消費税減税を掲げる構図が固まり、財政懸念から日本の長期金利の急上昇が他国へも波及し株安・金高を招いた。英国での大型減税策への財政不安からトリプル安(国債・通貨・株価急落)となったトラス・ショックが連想された。昨年4月のトランプ関税発表後の金融市場の混乱を見たベッセント財務長官のアドバイス通り、すぐに関税措置の撤回を発表したのと同様に、今回も連鎖的な金融危機を事前に回避すべく、トランプ大統領は欧州8ヶ国に対して課すとしていた追加関税を取りやめると発表した。株価はこれを好感したが、金相場は下落するに至っていない。これは、ダボス会議でカナダのマーク・カーニー首相が演説で、「古い秩序は戻ってこない」と述べたように、これまでの「自由・民主主義・法の支配」と言った価値観で結ばれていたG7体制の影響力は後退し、トランプ大統領の口からも出たG2(米国・中国)体制での国際秩序の再編・着地点への不安から金への資金流入が続いているためだ。トランプ大統領は1月7日、66の国際組織からの脱退を宣言する大統領令に署名している。

過去の米債務上限問題前後の値動き:Gold(ドル建て)
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券インベストメント株式会社 チーフ・ストラテジスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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