[Vol.2145] 長期視点で6,000ドル到達もあるだろう

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。64.56ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。5,118.61ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。26年05月限は16,360元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。26年03月限は470.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2778.61ドル(前日比42.11ドル拡大)、円建てで15,272円(前日比176円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月30日 17時32分時点 6番限)
27,998円/g
白金 12,726円/g
ゴム 350.9円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 月足 単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「長期視点で6,000ドル到達もあるだろう」
前回は、「『クレクレ民主主義』はS&P500急騰の一因」として、米ドルの通貨供給量(M2)を、確認しました。

今回は、「長期視点で6,000ドル到達もあるだろう」として、ドル建て金(ゴールド)価格の変動イメージを、確認します。

以前の「[Vol.2143] ポピュリズムとハイテクと非伝統的な有事」で、ポピュリズムとハイテクは、軍事、一般、政治の各分野で、民主主義後退、世界分断深化、資源武器利用横行、長期視点のインフレ継続、通貨の不確実性増加という、「非伝統的な有事」を拡散している側面があると述べました。

この「非伝統的な有事」は、筆者が提唱する現代の金(ゴールド)相場を考える際に必要な「七つのテーマ」のうち、最も時間軸が長い超長期に分類されるテーマです。

時間軸を三つに分けています。数秒から数カ月程度の短中期には、伝統的な有事、代替資産(株と逆相関)、代替通貨(ドルと逆相関)が、数カ月から数年程度の中長期には、宝飾需要、鉱山会社、中央銀行が、それ以上の期間を想定する超長期には、非伝統的な有事を置いています。

非伝統的な有事を拡散するポピュリズムとハイテクについては、ポピュリズムが人間の素の感情を起源としていること、ハイテクが豊かさの象徴であり人間の望みを具現化したものであることを考えれば、両者を人間から取り上げることは大変に困難であると言えます。

その意味で、非伝統的な有事は超長期視点で存在し続け、引いてはそれが、金(ゴールド)相場に超長期視点の上昇圧力をかけ続けると考えられます。

こうした動きは「中央銀行」にとって、金(ゴールド)保有量を増加し続ける動機になり得ます。中央銀行全体の金(ゴールド)保有において、目立った買い越し(購入量>売却量)がはじまったタイミングが「2010年」だったことは、中央銀行が全体として非伝統的な有事を認識していることを示唆していると、筆者はみています。

現代の金(ゴールド)相場を分析し、今後を展望する際に、以下のイメージ図が役立つと考えています。

現代の金(ゴールド)市場の環境は以下です。
・一つのテーマだけで動いていない。
・短中期の三つのテーマは絶えず上下の圧力を発し、それらは相殺され続けている。
・長期の価格上昇を支える「土台」がある。
・この土台は「中央銀行」と「非伝統的な有事」で築かれている。
・「非伝統的な有事」は、ポピュリズムとハイテクのマイナス面が強く関わっている。

筆者は、今後、この環境が大きく変わることはないとみています。つまりそれは、ポピュリズムとハイテクのマイナス面が強く関わる「非伝統的な有事」、それに関わる「中央銀行」によって築き上げられた「土台」が崩れることは考えにくく、それによって金(ゴールド)相場が支えられ続けられるのではないか、ということです。

長期視点では、短中期の三つのテーマによってもたらされる細かい上下をこなしながら、6,000ドルに到達する可能性があると考えています。

図:ドル建て金(ゴールド)価格の変動イメージ
図:ドル建て金(ゴールド)価格の変動イメージ
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。