2020年の原油相場を俯瞰する。材料は強弱拮抗

原油
著者:吉田 哲
原油(WTI先物)。クリスマスのため休場。(休場前は61.13ドル/バレル)

金反発。クリスマスのため休場。(休場前は1,504.40ドル/トロイオンス)

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年05月限は12,820元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年02月限は484.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建て(休場前)は558.8ドル(前日終値比8.5ドル拡大)、円建てで1,951円(前日終値比8円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月25日 17時8分頃 先限)
 5,272円/g 白金 3,321円/g 原油 42,460円/kl
ゴム 200.1円/kg とうもろこし 24,590円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「2020年の原油相場を俯瞰する。材料は強弱拮抗」

今回は、2020年の原油市場において想定される材料を俯瞰します。

想定される上昇要因はオレンジ色、下落要因は黄色にしました。2020年は上昇・下落ともに、要因が存在し続けるとみられます。

この点は、2020年の原油相場が一定のレンジの中で推移する可能性を高めるシナリオを確固たるものにしていると言えます。

以前の「2020年のWTI原油相場は42~65ドル予想。米大統領選がカギ」で述べたとおり、筆者は、2020年の原油相場については、上値が過去12カ月平均ベースで65ドル、下値が実価格ベースで42ドルのレンジ内で推移すると考えています。

上記の見通しは、トランプ大統領が再選に向けた施策を強めることを主な変動要因と想定したものですが、時間軸を考慮の上、それ以外に想定されるさまざまな材料を俯瞰した場合においても、強弱材料の拮抗により、レンジ相場になるだろう、という結論に至ります。

強弱材料が拮抗するとみられるのは、米国の原油生産において、2020年も増加するとみられる(下落要因)ものの、その増加が鈍化することを示唆するデータあること(上昇要因)、トランプ大統領が再選を目指す中、さまざまな施策が結果として原油相場の上昇・下落両方になり得ること、など、一つのテーマが原油相場の上昇と下落、両方の要因になり得る要素を持っているためです。

OPECプラスの減産についても、OPECが2020年9月で60周年を迎えるため、その時点で組織がまとまっていることをアピールする目的で減産を継続している可能性がありますが(上昇要因)、今月決定した2020年1月からの減産のように、数字のトリックを使った減産合意に過ぎず、需給バランスが引き締まらない可能性があるため(下落要因)、上昇・下落両方の要素を持っていると言えます。

2020年は、特に、考慮すべきテーマが多いため、常に材料全体を俯瞰することが求められそうです。

図:2020年の原油市場の各種変動要因とスケジュール感
2020年の原油市場の各種変動要因とスケジュール感

出所:筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。