四つの大切なリスクマネージメント その4

その他
著者:近藤 雅世
 三つ目のルールは最も大切なルールであり、ご存知の損切(損切ルール)である。投資家が必ず損切りをしなくてはいけない理由は三つある。

 損切りをする理由の二つ目は、投資家は常に市場を観ている必要がある。目を離した時間が長ければ長いほど、大損する確率は高くなる。ファンドマネジャーを募集する際に面接試験の目安となっているのは、『最大ドローダウン』という尺度である。応募してくる人は必ず過去のトラックレコードが優秀であったことを証明する取引実績表を持参する。それを見て、一度でも大きな損失を出している人は採用されない。大きな損失を一度でも出しては投資家として失格だからである。

 少額ならば、損失はいくら出しても良い。大きな損失を出さないためには、常に市場に張り付いていなければならない。現実的にはそれは不可能である。トイレに行ったり、夜は眠らねばならないが、市場は世界中で24時間稼働している。商社の場合、東京・ニューヨーク・ロンドンの三ヶ所で市場を24時間をカバーして、それぞれの市場に担当者が常時市場に対応しているが、そうするためにはかなりコストがかかる。個人投資家にはできない相談であろう。投資家がトイレに行くことができ、安心して眠ることができるのは、損切り注文を行っているためである。

※損切りをする理由の一つ目(前回)

 

このコラムの著者

近藤 雅世(コンドウ マサヨ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。商品ファンドを日本で初めて作った一人。2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンスを設立。代表取締役社長就任。 URL:http://commi.cc/ eメール:kondo@commi.cc