原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。33.23ドル/バレル近辺で推移。 金反発。ドルインデックスの反落などで。1,661.05ドル/トロイオンス近辺で推移。 上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は10,525元/トン付近で推移。 上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年05月限は275.0元/バレル付近で推移。 金・プラチナの価格差、ドル建てで783.5ドル(前日終値比7.4ドル縮小)、円建てで2,614円(前日終値比2円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。 東京市場は以下のとおり。(3月11日 19時7分頃 先限) 金 5,587円/g 白金 2,973円/g 原油 25,570円/kl ゴム 163.6円/kg とうもろこし 23,090円/t ●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル) 出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より ●本日のグラフ「今後の米シェール主要地区の展開を考える①」 今回は「今後の米シェール主要地区の展開を考える①」として、逆オイルショックの際の米シェールオイル主要地区の状況を踏まえながら、今後の同地区の原油生産量などの方向性について考えます。 前回示したとおり、OPECは、2014年11月の総会で原油の減産を実施しませんでした。 当時の原油価格は同年半ばから急落の最中にあり、多くの市場関係者は、OPECはこの急落を止めるべく、減産を実施するだろうと踏んでいました。 しかし、OPECは減産を見送り、原油価格はさらに急落しました。 一連の原油相場の急落・低迷は俗に“逆オイルショック”と言われることがありますが、このショックの際の最安値は、2016年2月の26.05ドルとみられます。 今週月曜日につけた安値が27.34ドルとみられますので、逆オイルショック時の安値に接近する急落だったと言えます。 その逆オイルショックで、米シェール主要地区の原油生産量は減少したことを考えれば、今回の急落でも、米シェールは減少する可能性があります。 ただ、米シェール主要地区において、以前と異なるのは、以前の「米シェール“質”の向上が鮮明に」で述べた“質”が向上している点です。 逆オイルショックという、米シェール業者について強い逆風が吹く中、その逆境を利用して育まれた技術革新の結晶ともいえる“質”(具体的には新規1油井当たりの原油生産量)は、当時よりも現在の方が向上しています。 今回の原油価格の急落で確かに米シェールは減少する可能性はありますが、以前よりも高くなった“質”が減少の度合いを低下させる可能性があります。 つまり、減少するとみられる米シェール主要地区の原油生産量が、逆オイルショックの時よりも少なくなる可能性があります。 次回の米シェール主要地区のデータの公表は、3月16日(月)です。要注目です。 図:逆オイルショック時(2014後半~2016年末)と現在の比較 出所:OPECの資料をもとに筆者作成