週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 先週末のWTI原油は前週比9.16ドル安の23.15ドル、ブレント原油は5.48ドル安の26.37ドルとなった。

 前週末の海外原油は、米国が非常事態宣言を行ったことでコロナ対策へ本格的に動き出すとの期待感が高まったほか、トランプ大統領が備蓄のための石油の大量購入を検討していると伝わったことが好感され小幅に反発した。

 先週は引き続き需給の悪さから売りが強まると、ダウ平均が約3年ぶりに2万円を割れて下落するなどパニック的な売りで下げ止まらず、WTIベースで何とか20ドルは維持したものの、週間で9ドル近くの暴落となった。週明けは日曜に米FRBが緊急利下げを発表するなど各国中銀による金融緩和政策が発表されたものの売りの流れは変えられず、株式の大幅安に歩調を合わせる形で原油も大幅反落となった。翌17日もコロナウイルスの影響で需要の減少が見込まれるほか、サウジとロシアのシェア争いが続いている状況が嫌気され軟調な推移となった。この日の株式市場は米政府がヘリマネや税金の支払い先送りなど、大型の経済対策を検討していると伝わったことで1000ドル近く値を戻す動きとなったものの、原油の上値は重かった。週末にかけても軟調な流れが続くと、WTIベースで約4年ぶりの安値を割り込んだことで売りが加速し、一時20.5ドルまで下落する動きとなった。コロナウイルスの影響で各国政府が閉鎖措置を拡大させており、工場など企業活動の停滞に拍車がかかっていることで世界経済の悪化が見込まれている。

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。