“アフターコロナ”に惑わされないことが重要

原油
著者:吉田 哲
原油反落。主要株価指数の反発などで。14.66ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,736.90ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は9,935元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年06月限は215.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで955.8ドル(前日比6ドル縮小)、円建てで3,311円(前日比15円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(4月27日 16時55分頃 先限)
 5,910円/g 白金 2,599円/g 原油 19,750円/kl
ゴム 150.9円/kg とうもろこし 21,600円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「“アフターコロナ”に惑わされないことが重要」

前回は「米国、石油製品の消費量、過去数十年で最低」として、米国全体の石油製品の消費量に注目しました。

今回は「“アフターコロナ”に惑わされないことが重要」として、今月、IMF(国際通貨基金)が公表した先進国の成長率の予想と、EIA(米エネルギー省)が公表した石油消費量の予想に注目します。

以下がそれらの推移を示したグラフです。ともに2019年の第1四半期を100として指数化しています。期間は、2019年第1四半期から2021年第4四半期です。

IMFが示した先進国の成長率予想とEIAが示した先進国の石油消費量の予想では、ともに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で急激に落ち込みむ“最悪期”は、2020年の第2四半期、つまり、現在としています。

今我慢すれば、年後半には、経済は回復し、それにつれて石油の消費量も回復する、というわけです。

仮に、この予想が外れた場合、幅広い市場で強い悲観論が生じる可能性があります。

すでに、このような予想をもとに“アフターコロナ”と銘打って、新型コロナウイルスの世界的な蔓延が終息する期待を先取りするような楽観論がありますが、そうならなかった場合の失望は、むしろ年後半に終息する期待を抱かなかった時よりも大きくなると筆者は思います。

この話は、原油相場に大きな影響を与えると考えられます。

期待が大きかった分、実際にそうならなかった時の失望は大きく、このような強い失望は強い不安と懸念を生み、それらから生まれる悲観的なムードが、価格の下落要因になる可能性があります。

“アフターコロナ”という、響きの良い言葉に惑わされず、冷静に、材料を俯瞰することが重要だと思います。

図:先進国の成長率と石油消費量の予想 (2019年1Qを100として指数化)
先進国の成長率と石油消費量の予想

出所:IMF(国際通貨基金)、EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者推計

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。