米国の“減産”顕著に

原油
著者:吉田 哲
原油反発。主要株価指数の反発などで。26.25ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,697.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,380元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年07月限は261.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで928.45ドル(前日比5.45ドル拡大)、円建てで3,240円(前日比20円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(5月7日 19時17分頃 先限)
 5,800円/g 白金 2,560円/g 原油 23,360円/kl
ゴム 153.0円/kg とうもろこし 22,170円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米国の“減産”顕著に」

今回は「米国の“減産”顕著に」として、昨日、EIAが公表した米国の原油生産量について書きます。

以下のグラフのとおり、2020年3月下旬以降、米国の原油生産量は、減少しています。

以前の「すでに低下していた米シェール主要地区の開発指標」で書いた、昨年秋にはじまった、米シェール主要地区における開発関連指標の鈍化によって、一部の米シェール業者の生産活動が鈍化したことや、「新型コロナ、超大型ハリケーン超え!?」で書いた、原油の実質的な消費である製油所への投入量が減少していること、などが要因と考えられます。

2000年以降では、米国南部にハリケーンが襲来した際、米国の原油生産量は、長くて2カ月間、多くて日量150万バレル程度、減少しています。

今回は、昨年秋にはじまった米シェール主要地区における開発活動の鈍化や、新型コロナウイルスの感染拡大による消費減少などによる生産減少であるため、米国の原油生産量の減少は、ハリケーンの襲来時よりも、長期化し、かつ規模が大きくなる可能性があります。

OPECプラスが5月から協調減産を実施することを決定した4月12日(日)の会合後、OPECプラスの関係筋が、米国を含んだ非加盟国が合計400万から500万バレル、実質的に減産をする見込みだと、話しました。

また、トランプ大統領は、OPEC・非OPEC閣僚会議が行われた4月10日(金)に、OPECプラスに属するメキシコの減産の一部を肩代わりすると、メキシコの大統領に打診したと報じられています。

ただ、米国の“減産”といっても、OPECプラスと異なり、人為的な生産調整ではなく、開発鈍化・消費減少による自然減と考えられます。

とは言え、市場は、米国の生産減少を、米国もOPECプラスとともに、減産をしている、と受け止め、その“好意的な受け止め”が、原油価格を押し上げる一因になる可能性もあると、思います。

図:米国の原油生産量 単位:千バレル/日量


出所:EIA(米エネルギー省)のデータより筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。