ならず、米原油在庫統計史上最高。市場は安堵して上昇

著者:吉田 哲
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原油反発。主要株価指数の反発などで。26.70ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,727.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年09月限は10,140元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年07月限は245.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで948ドル(前日比1.4ドル拡大)、円建てで3,292円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(5月14日 19時7分頃 先限)
 5,907円/g 白金 2,615円/g 原油 22,200円/kl
ゴム 151.5円/kg とうもろこし 22,150円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「ならず、米原油在庫統計史上最高。市場は安堵して上昇」

前回は「なるか統計史上最高、今晩公表の米国の原油在庫に注目」として、昨晩、統計史上最高となる可能性があった、米国の原油在庫について書きました。

今回は「ならず、米原油在庫統計史上最高。市場は安堵して上昇」として、昨晩、EIA(米エネルギー省)が公表した米国の原油在庫について書きます。

5月13日(水)にEIAが公表した、5月8日(金)付の米国全体の原油在庫は、5億3147万バレルでした。

統計史上最高となる5億3554万バレルに達しそうだった先週公表分(5億3222万バレル)から減少しました。減少は16週間ぶりです。

15週間かけて積み上がった694万バレルに比べれば、先週からの減少分である74万バレルは小さいため、足元の米国の原油在庫は“高止まり”している、と言えます。

同時に公表されたクッシング地区の原油在庫も減少しました。これに伴い、同地区の貯蔵率は79.3%となりました。貯蔵率は前週に比べ3.9%低下しました。

米国全体の原油在庫が、前週比で減少したこと、そして在庫問題に揺れるWTIの主要集積地であるオクラホマ州クッシング地区の貯蔵率が低下したことは、足元の原油市場に、大きな安心感をもたらしたと、考えられます。

5月19日(火)の、WTI原油先物の2020年6月限の納会日前に、4月20日(月)と同様、マイナス価格が発生するのではないか?という懸念を後退させた、という点で、昨晩の週間石油統計は、大きな意味があったと、筆者は思います。

とはいえ、まだ、米国全体の在庫、クッシング地区の貯蔵率は、ともに高水準であるため“だぶつき感”は、まだ強いといえます。

継続して、これらの数値が低下していくことが、原油相場の“実態を伴った反発”に必要だと、考えています。

図:米国全体の原油在庫 単位:千バレル
米国全体の原油在庫

出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。