原油反落。新型コロナウイルスの感染拡大懸念などで。39.82ドル/バレル近辺で推移。 金反発。ドルインデックスの反落などで。1,814.00ドル/トロイオンス近辺で推移。 上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年09月限は10,600元/トン付近で推移。 上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年08月限は295.5元/バレル付近で推移。 金・プラチナの価格差、ドル建てで950.1ドル(前日比5.9ドル縮小)、円建てで3,361円(前日比9円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。 東京市場は以下のとおり。(7月13日 20時6分頃 先限) 金 6,234円/g 白金 2,873円/g 原油 28,430円/kl ゴム 156.5円/kg とうもろこし 22,910円/t ●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル) 出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より ●本日のグラフ「6月は供給不足。石油需給は引き締まっている!?」 前回は「完全回復せず!?2020年下半期の米国の石油消費見通し」として、前回まで参照したEIA(米エネルギー省)のデータから、2020年下半期の米国の石油消費見通しについて、書きました。 今回は「6月は供給不足。石油需給は引き締まっている!?」として、今月、EIAが公表したデータから、世界の石油の需給バランスについて書きます。 需給バランスは、供給-消費、で計算します。このため、値がプラスの場合は供給過剰(供給>消費)、マイナスの場合は供給不足(供給<消費)を意味します。 以下のグラフで目立つのは、2020年4月の供給過剰です。供給と消費の内訳は、供給が日量9997万バレル、消費が日量7944万バレルです。差し引いて、日量2053万バレルの供給過剰です。 2020年4月の特有の事情を考えると、OPECプラスの協調減産の端境期だった(同年3月に減産を終了し、5月に再開)こと、そしてパンデミック宣言の翌月、新型コロナ感染拡大防止のため、世界各国でロックダウンが行われ、世界の石油消費が大きく減少したこと、などが挙げられます。 つまり、供給・消費両面で、需給バランスが一時的に急激に緩む要因があったわけです。 翌5月もまだ供給過剰でしたが、その翌月の6月には、供給不足になりました。そして、7月以降、EIAは12月まで、供給不足が続くとの見通しを示しています。 世界全体でも、米国・中国単体でも、おおむね4月から5月を底に、消費は12月まで回復することが見込まれていること、OPECプラスの減産が続くこと(削減量は段階的に縮小する予定)、米国の原油生産量の減少が見込まれていることなどが、織り込まれていると、考えられます。 引き続き、原油相場の長期的な動向に影響を与える可能性がある、世界の石油の需給バランスの動向に、注目していきたいと思います。 図:世界の石油の需給バランス 単位:百万バレル/日量 出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成