OPEC、波乱の中で迎えた祝60周年

著者:吉田 哲
原油反発。主要株価指数の反発などで。37.92ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,974.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年01月限は12,360元/トン付近。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年11月限は260.7元/バレル付近。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1004.35ドル(前日比0.65ドル縮小)、円建てで3,430円(前日比5円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(9月15日 19時2分頃 先限)
6,691円/g 白金 3,261円/g
ゴム 183.1円/kg とうもろこし 23,890円/t

●WTI原油先物(期近) 日足 (単位:ドル/バレル)
WTI原油先物(期近)日足
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「OPEC、波乱の中で迎えた祝60周年」

今回は「OPEC、波乱の中で迎えた祝60周年」として、OPECという組織について、考えます。

1960年(昭和35年)9月14日のことでした。同年9月10日(土)からはじまった“バクダッドでの会合”の最終日の14日(水)、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5カ国は、OPECを立ち上げました。

翌1961年1月、ベネズエラのカラカスで行われた会合で、組織の規則が承認されました。

以降、何度も規則の改定が行われてきましたが、改定の履歴を見る限り、組織の主な目的が書かれている箇所(Article2)については、ほとんど当時のままです。

これらの組織の目的から、5カ国の創始者がOPECを創った背景がうかがえます。

1番目と2番目(AとB)には、自国で生産された石油は自国のものであり、国際的な石油価格の決定は生産国が関わるものである、という趣旨が記されています。

これは当時、産油国で生産された石油とその価格を牛耳っていた石油メジャー(国際石油資本)から、自分たちの権利を取り返すことを宣言する内容と言えます。

3つある組織の主な目的の1番目と2番目にあることから、石油メジャーから権利を奪還し、自らの独立性を保つことが、組織の最優先事項に位置付けられていると言えます。

消費国と石油産業に投資をする投資家への配慮は、その次に記されています。

ペルシャ湾の産油国を含め、資源に国家の収入の大部分を依存する国を、レンティア国家と表現することがあります。

レント(rent)は、金利や家賃、地代、使用料などの、労働による収入ではない収入を指します。

レンティア国家は、その国で生産されるモノ、そのモノから作られた製品、あるいはそれらに関わる権利などによって、継続的に収入を得られる構造になっている国です。創始者らは、このような構図の国と言えます。

規則の冒頭の組織設立のあらましが書かれている箇所(Article1)には、“恒久的な政府間組織として作成 政府代表者会議の決議に従って”とあり、国家間の枠組みで、取り組むことが明言されています。

レンティア国家的な創始者らが、いまから60年前、石油メジャーから自分たちの権利を取り返すことを目指して作ったのが、OPECだったわけです。

図:OPECの目的
WTIマイナス価格発生
出所:「OPEC Statute」Organization and Objectives Article 2より、筆者翻訳

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。大学卒業後、コモディティ業界に入る。
2007年からコモディティアナリストとして商品の個別銘柄分析や情報配信を担当。
2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。楽天証券ウェブサイトにレポート「週刊コモディティマーケット」を掲載(毎週金曜更新)。
各種メディアでも独自の視点を織り交ぜながら関連情報を幅広く配信している。