FOMCを受けた金相場見通し

著者:菊川 弘之
 16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0~0.25%のまま据え置き、事実上のゼロ金利政策を維持した。

 3月に再開した量的緩和政策も、米国債を月800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)も同400億ドルのペースで買い入れる。

 今回から2023年の見通しが出るということで注目のドットチャートでは、FRBの正副議長や理事、地区連銀総裁による参加者17人が、2023年までの政策方針と景気見通しをそれぞれ提示。13人はゼロ金利政策を23年末まで維持する考えを表明した。マイナス金利政策の導入を検討する参加者はゼロだった。2024年以降の「長期」にやっと「利上げ、ゼロ金利脱出」との見立て。

 声明文にはゼロ金利を解除する条件を3つ盛り込んだ。ゼロ金利政策は、

(1)FOMCが完全雇用とみる水準まで労働市場が回復する

(2)物価上昇率が2%に達する

(3)一時的に物価上昇率が2%を緩やかに上回る経路に到達するまで維持する。

 16日のNY市場では、米小売売上高が予想以下となり、金買い・ドル売りで反応。その後、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表した声明でフォワード・ガイダンス(政策指針)を「物価上昇率がしばらくの間、穏やかに2%を超える水準を目指す」と変更。米低金利環境が長期化するとの見方が強まり、ドル売り・金買いとなったが、ドルの下値、NY金の上値は限定的だった。

 FRBの金融緩和姿勢は、ある程度織り込まれながら円高ドル安が進んでいた事や、2023年の経済見通しが想定より景気に強気だったことを受けて米長期金利が上昇したことが背景。

NY金とドル円(日本時間9/16~9/17)

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券主席アナリスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。
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