原油反発。主要株価指数の反発などで。39.91ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,882.55ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年01月限は12,320元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年11月限は265.0元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1030.25ドル(前日比19.95ドル縮小)、円建てで3,452円(前日比13円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月23日 17時49分頃 先限)
金 6,348円/g 白金 2,896円/g
ゴム 182.2円/kg とうもろこし 23,900円/t
●WTI原油 日足 (単位:ドル/バレル)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡより
●本日のグラフ「古くて残念な常識“OPEC減産で原油価格上昇”」
前回は「OPECの原油生産量と確認埋蔵量のシェアは高い」として、OPECの原油生産量と確認埋蔵量について、考えました。
今回は「古くて残念な常識“OPEC減産で原油価格上昇”」として、OPECの減産と原油価格について、考えます。
2008年に起きたリーマン・ショック以降、断続的に主要国で大規模な金融緩和が行われ、溢れた資金が株式市場や通貨市場、コモディティ市場に飛び交うようになりました。また、2003年ごろから本格的にETF(上場投資信託)化され、金や原油は、より身近な金融商品の一つとなりました。
“溢れたマネー”と“金融商品化”は、格段に、コモディティとその他の金融商品の垣根を下げました。コモディティが一般化した(文字通りコモディティ化した)ことで、起きた変化は、コモディティが持っていた価格変動要因における独自性の低下だと、筆者は考えています。
垣根が低くなったことで、価格が上昇することが強く望まれる株式市場や、政治や金融政策、国家間のパワーバランスの動向を強く反映する通貨市場の事情が、コモディティ市場に色濃く反映されるようになり、その結果、コモディティ市場の独自性が低下したと、考えています。
このようことを前提に、“今の”コモディティ市場を分析する必要があります。
コモディティ市場の環境が変わる2000年以前の、1982年ごろからOPECは組織全体あるいは加盟国ごとに生産量の上限を決め、生産量を調整するようになりました。それ以後、たびたび、(生産シェア4割を占める)OPECが減産をする、とのアナウンスがあると、原油価格が上昇する場面がみられるようになりました。
しかし、2017年から始まったOPECと非OPECの協調減産の際、大規模な減産ではあるにも関わらず、原油価格は大きく上昇せず、2018年の後半においては、急落する場面すらみられました。必ずしも、OPECの減産が原油価格を上昇させるわけではない、ことがわかります。
2017年からの原油の減産が行われている最中、シェール革命により、米国の原油生産量が急激に増加したため、OPECが減産をしても需給が引き締まりにくくなっていました。また、2018年の価格急落は、株価が急落したことを受け、石油の消費減少懸念が急速に高まったことが主因と考えられます。
特に2018年の原油価格急落は、2000年以降に生じたコモディティ市場の環境の変化の際に、株式市場との関わりが強くなったことが影響していると考えられます。米ハイテク企業の株価下落をきっかけに発生した主要株価指数の下落が、株価下落→景気悪化懸念→石油の消費減少懸念という連想が生じさせたと考えられます。
OPEC減産→原油価格上昇という「思い込み」は、特にコモディティ市場の環境が変わった2000年以降は、原油市場のすべてではなく一部だと認識する必要があります。減産を実施していても、必ずしも、原油価格が上昇するわけではありません。
図:2000年前半を境にしたコモディティ市場の環境の変化
出所:筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。1,882.55ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年01月限は12,320元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年11月限は265.0元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1030.25ドル(前日比19.95ドル縮小)、円建てで3,452円(前日比13円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(9月23日 17時49分頃 先限)
金 6,348円/g 白金 2,896円/g
ゴム 182.2円/kg とうもろこし 23,900円/t
●WTI原油 日足 (単位:ドル/バレル)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡより
●本日のグラフ「古くて残念な常識“OPEC減産で原油価格上昇”」
前回は「OPECの原油生産量と確認埋蔵量のシェアは高い」として、OPECの原油生産量と確認埋蔵量について、考えました。
今回は「古くて残念な常識“OPEC減産で原油価格上昇”」として、OPECの減産と原油価格について、考えます。
2008年に起きたリーマン・ショック以降、断続的に主要国で大規模な金融緩和が行われ、溢れた資金が株式市場や通貨市場、コモディティ市場に飛び交うようになりました。また、2003年ごろから本格的にETF(上場投資信託)化され、金や原油は、より身近な金融商品の一つとなりました。
“溢れたマネー”と“金融商品化”は、格段に、コモディティとその他の金融商品の垣根を下げました。コモディティが一般化した(文字通りコモディティ化した)ことで、起きた変化は、コモディティが持っていた価格変動要因における独自性の低下だと、筆者は考えています。
垣根が低くなったことで、価格が上昇することが強く望まれる株式市場や、政治や金融政策、国家間のパワーバランスの動向を強く反映する通貨市場の事情が、コモディティ市場に色濃く反映されるようになり、その結果、コモディティ市場の独自性が低下したと、考えています。
このようことを前提に、“今の”コモディティ市場を分析する必要があります。
コモディティ市場の環境が変わる2000年以前の、1982年ごろからOPECは組織全体あるいは加盟国ごとに生産量の上限を決め、生産量を調整するようになりました。それ以後、たびたび、(生産シェア4割を占める)OPECが減産をする、とのアナウンスがあると、原油価格が上昇する場面がみられるようになりました。
しかし、2017年から始まったOPECと非OPECの協調減産の際、大規模な減産ではあるにも関わらず、原油価格は大きく上昇せず、2018年の後半においては、急落する場面すらみられました。必ずしも、OPECの減産が原油価格を上昇させるわけではない、ことがわかります。
2017年からの原油の減産が行われている最中、シェール革命により、米国の原油生産量が急激に増加したため、OPECが減産をしても需給が引き締まりにくくなっていました。また、2018年の価格急落は、株価が急落したことを受け、石油の消費減少懸念が急速に高まったことが主因と考えられます。
特に2018年の原油価格急落は、2000年以降に生じたコモディティ市場の環境の変化の際に、株式市場との関わりが強くなったことが影響していると考えられます。米ハイテク企業の株価下落をきっかけに発生した主要株価指数の下落が、株価下落→景気悪化懸念→石油の消費減少懸念という連想が生じさせたと考えられます。
OPEC減産→原油価格上昇という「思い込み」は、特にコモディティ市場の環境が変わった2000年以降は、原油市場のすべてではなく一部だと認識する必要があります。減産を実施していても、必ずしも、原油価格が上昇するわけではありません。
図:2000年前半を境にしたコモディティ市場の環境の変化
出所:筆者作成