原油反発。米主要株価指数の反発などで。40.02ドル/バレル近辺で推移。
金反発。ドル指数の反落などで。1,919.75ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年01月限は14,870元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年12月限は265.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1026.3ドル(前日比11.3ドル縮小)、円建てで3,460円(前日比54円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月22日 終値 先限)
金 6,453円/g 白金 2,993円/g
ゴム 219.8円/kg とうもろこし 24,650円/t
●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「“OPECプラス減産順守”の解釈の仕方」
前回は「欧州のコロナ感染拡大は“爆発級”!?」として、足元の、欧州の新型コロナの感染状況について書きます。“有事のムード”を強め、金相場の下支え要因になっていると、考えられました。
今回は「“OPECプラス減産順守”の解釈の仕方」として、今週月曜日に、OPECプラスの配下組織でOPEC総会に決議事項を勧告したり、同じく配下組織であるJTC(共同技術委員会)が算出した参加国各国の原油生産量のデータを評価し減産順守率を算出したりするJMMC(共同閣僚監視委員会)が公表した減産順守率について書きます。
減産順守率は、100%を上回れば“減産順守”です。以下の表のとおり、9月は102%であったため、減産順守でした。この減産順守率とOPECプラスが今年4月に合意した削減量から算出した、削減量(推定)は日量785万バレルです。
・減産順守率について
現行の協調減産では、“全体として”よりも“個別の国ごと”に、減産を順守することが厳しく求められています。6月の減産順守率は107%(※1)と、これらの月の中で最も高くなっていますが、これは個別の国の削減が十分でない中、サウジなどが多めに削減したことによるものでした。
現行の協調減産は、余裕のある国が、減産することが難しい国に代わって減産をする“肩代わり”減産は推奨されていません。6月の“肩代わり減産”を除外した減産順守率は95%とされており、減産の意図を反映した実態としては、減産非順守だったわけです。
ただ、9月の102%(※2)は、“肩代わり減産”を除外した数字として、5月以降の最高とされています。徐々に、OPECプラスとして、減産を順守する動きが目立ち始めていると言えそうです。減産順守率が、“肩代わり減産”を含んでいるか、いないかに注意する必要があります。
・削減量について
9月は、日量770万バレルを削減すると合意していた中で、それを上回る日量785万バレルを削減しました。一見すると、“OPECプラスは合意内容を守っている”“過剰な生産をしていない”という印象を受けますが、実際のところ、手放しで好意的に受け止めることはできない面もあります。
確かにOPECプラスは、9月、合意内容を超える削減を行いました。8月もそうでした。しかし、これらの月の“削減量”は、協調減産が再開した5月から3カ月間よりも、少ないことがわかります。それでも減産順守となったのは、“削減目標”が引き下がったためです。
5月から7月まで(4月の合意時点では6月までだったが、6月の総会で7月まで延長した)の削減目標は日量970万バレルでした。それが8月、9月はそこから日量200万バレル少ない日量770万バレルとなりました。目標値が下がった(減産が緩くなった)ことが、減産を順守しやすくしているわけです。
下がった目標値に近い生産が行われていることから、OPECプラスとしては、“できれば削減量は少ない方がよい”“可能な限り生産量を拡大させたい”と考えていることがうかがえます。
今年4月の総会で2022年4月までの削減目標が決められており(同月まで減産が継続することになっている)、削減目標は、段階的に引き下げられることになっています。もっとも近いタイミングの目標値の引き下げは、2021年1月で、現行の日量770万バレルが日量580万バレルとなります。
JMMCやJTCなどで、新型コロナの影響で減少している需要に見合うよう、目標値の引き下げのタイミングを遅らせるかどうかの協議が行われているとの報道もありますが(市場が勝手にそう期待しているのかもしれませんが)、いまのところ総会に勧告する具体的なことは決まっていないようです。
次回のJMMCおよびJTCは11月16日(金)と17日(土)、OPEC総会は11月30日(月)、OPEC・非OPECの閣僚会議は12月1日(火)です。これらの会合の中で、来年1月からの削減量を、現行から緩和するかどうか、具体的に協議、そして決定されるかもしれません。
図:OPECプラス全体の減産順守率
出所:JMMC(共同閣僚監視員会)の資料より筆者作成
金反発。ドル指数の反落などで。1,919.75ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年01月限は14,870元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年12月限は265.9元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで1026.3ドル(前日比11.3ドル縮小)、円建てで3,460円(前日比54円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(10月22日 終値 先限)
金 6,453円/g 白金 2,993円/g
ゴム 219.8円/kg とうもろこし 24,650円/t
●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「“OPECプラス減産順守”の解釈の仕方」
前回は「欧州のコロナ感染拡大は“爆発級”!?」として、足元の、欧州の新型コロナの感染状況について書きます。“有事のムード”を強め、金相場の下支え要因になっていると、考えられました。
今回は「“OPECプラス減産順守”の解釈の仕方」として、今週月曜日に、OPECプラスの配下組織でOPEC総会に決議事項を勧告したり、同じく配下組織であるJTC(共同技術委員会)が算出した参加国各国の原油生産量のデータを評価し減産順守率を算出したりするJMMC(共同閣僚監視委員会)が公表した減産順守率について書きます。
減産順守率は、100%を上回れば“減産順守”です。以下の表のとおり、9月は102%であったため、減産順守でした。この減産順守率とOPECプラスが今年4月に合意した削減量から算出した、削減量(推定)は日量785万バレルです。
・減産順守率について
現行の協調減産では、“全体として”よりも“個別の国ごと”に、減産を順守することが厳しく求められています。6月の減産順守率は107%(※1)と、これらの月の中で最も高くなっていますが、これは個別の国の削減が十分でない中、サウジなどが多めに削減したことによるものでした。
現行の協調減産は、余裕のある国が、減産することが難しい国に代わって減産をする“肩代わり”減産は推奨されていません。6月の“肩代わり減産”を除外した減産順守率は95%とされており、減産の意図を反映した実態としては、減産非順守だったわけです。
ただ、9月の102%(※2)は、“肩代わり減産”を除外した数字として、5月以降の最高とされています。徐々に、OPECプラスとして、減産を順守する動きが目立ち始めていると言えそうです。減産順守率が、“肩代わり減産”を含んでいるか、いないかに注意する必要があります。
・削減量について
9月は、日量770万バレルを削減すると合意していた中で、それを上回る日量785万バレルを削減しました。一見すると、“OPECプラスは合意内容を守っている”“過剰な生産をしていない”という印象を受けますが、実際のところ、手放しで好意的に受け止めることはできない面もあります。
確かにOPECプラスは、9月、合意内容を超える削減を行いました。8月もそうでした。しかし、これらの月の“削減量”は、協調減産が再開した5月から3カ月間よりも、少ないことがわかります。それでも減産順守となったのは、“削減目標”が引き下がったためです。
5月から7月まで(4月の合意時点では6月までだったが、6月の総会で7月まで延長した)の削減目標は日量970万バレルでした。それが8月、9月はそこから日量200万バレル少ない日量770万バレルとなりました。目標値が下がった(減産が緩くなった)ことが、減産を順守しやすくしているわけです。
下がった目標値に近い生産が行われていることから、OPECプラスとしては、“できれば削減量は少ない方がよい”“可能な限り生産量を拡大させたい”と考えていることがうかがえます。
今年4月の総会で2022年4月までの削減目標が決められており(同月まで減産が継続することになっている)、削減目標は、段階的に引き下げられることになっています。もっとも近いタイミングの目標値の引き下げは、2021年1月で、現行の日量770万バレルが日量580万バレルとなります。
JMMCやJTCなどで、新型コロナの影響で減少している需要に見合うよう、目標値の引き下げのタイミングを遅らせるかどうかの協議が行われているとの報道もありますが(市場が勝手にそう期待しているのかもしれませんが)、いまのところ総会に勧告する具体的なことは決まっていないようです。
次回のJMMCおよびJTCは11月16日(金)と17日(土)、OPEC総会は11月30日(月)、OPEC・非OPECの閣僚会議は12月1日(火)です。これらの会合の中で、来年1月からの削減量を、現行から緩和するかどうか、具体的に協議、そして決定されるかもしれません。
図:OPECプラス全体の減産順守率
出所:JMMC(共同閣僚監視員会)の資料より筆者作成