米国は2021年後半にビフォーコロナに戻る!?②

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。38.86ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドルインデックスの反発などで。1,901.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年01月限は15,725元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年12月限は256.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1029.05ドル(前日比0.75ドル拡大)、円建てで3,456円(前日比12円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月27日 19時1分頃 先限)
6,407円/g 白金 2,951円/g
ゴム 262.8円/kg とうもろこし 24,990円/t

●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)
WTI原油先物日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「米国は2021年後半にビフォーコロナに戻る!?②」

前回は「米国は2021年後半にビフォーコロナに戻る!?」として、EIA(米エネルギー省)が毎月公表している短期見通しに収録されている、米国のジェット燃料消費の見通しに注目しました。

今回は「米国は2021年後半にビフォーコロナに戻る!?②」として、EIA(米エネルギー省)が毎月公表している短期見通しに収録されている、米国のガソリン消費量の見通しに注目します。

以下のグラフは、10月時点と3月時点の、2020年および2021年の米国のガソリン消費量の見通しです。3月時点の見通しは2020年2月までが実績値、10月時点の見通しは同9月までが実績値です。(実績値は点線、見通しは実線)

前々回の石油在庫、前回のジェット燃料の消費量と同様、ざっくり言えば、3月時点の見通しは“コロナ前”、10月時点の見通しは“コロナ禍”の見通しといえます。

米国では、7月から9月の夏場の行楽シーズン時、ドライブ需要が喚起され、ガソリンの消費量が増加する傾向があります。コロナ前の見通しでも、2020年、2021年の同シーズン時、消費の増加が見込まれていました。

コロナ禍の見通しはどうでしょうか。2020年はコロナ禍のため、同シーズンの需要喚起が起きたのかを測ることは難しいですが、前回のジェット燃料と比較することで、同シーズン特有の需要喚起が一定程度あったことが示されたと、筆者は考えています。

ジェット燃料とガソリンそれぞれ、コロナ前とコロナ禍の“8月”を比較すると、ジェット燃料のコロナ禍はコロナ前のマイナス44%、一方、ガソリンは同マイナス10%でした。ガソリンの方が、この期間の消費の回復が顕著だったわけです。

この点は、コロナ禍にあっても、行楽シーズンにおける需要喚起が起きたことを示していると考えられます。

また、2020年後半からは、“7割経済”(外部環境の悪化で急激な消費減少に見舞われた後、消費が回復したとしても、急減前の7割程度に留まることを指す言葉)以上の回復が見通されています。

2021年は通年にいたっては、コロナ禍の見通しとコロナ前の見通しがほぼ同水準です。

ジェット燃料の見通しを見て感じたことと同様、グラフを見ると、コロナ禍にあって、何か希望が見えたような気になりますが、足元の感染状況を鑑みれば、やはり、全く、安心することはできません。

先の見通しよりも、足元の世界を丁寧に見ていくことが重要であることには、変わりはありません。

図:米国のガソリン消費の見通し 単位:百万バレル/日量
米国のガソリン消費の見通し

出所:EIA(米エネルギー省)のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。