欧州の新型コロナ感染拡大は非常に深刻

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。35.02ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,887.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年01月限は15,255元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。20年12月限は221.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1032.3ドル(前日比0.8ドル拡大)、円建てで3,484円(前日比24円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月2日 19時11分頃 先限)
6,366円/g 白金 2,882円/g
ゴム 216.7円/kg とうもろこし 24,000円/t

●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)
WTI原油先物日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「“国民の3%がコロナ患者”の衝撃」

前回は「さながら“第二次新型コロナ・ショック”!?」として、2020年10月23日から29日までのおよそ一週間の、各種主要銘柄の騰落率を確認しました。

今回は「“国民の3%がコロナ患者”の衝撃」として、人口100万人あたりの欧州の新型コロナの推定患者数(感染者-回復者-死亡者)に注目します。

先週一週間、米大統領選挙と欧州の新型コロナ感染再拡大のニュースが目立ちました。米大統領選挙の候補者である二人は、意見は異なれども、全体的には、米国をよくしたい、米国経済を立て直したい、という思いは同じだと考えられます。

その意味では、投票日前後、各種市場は、乱高下する可能性はあるものの、しばらくすれば、次期大統領の一挙手一投足に期待を膨らませながら落ち着きを取り戻し、自然に回復していくとみられます。

このように考えれば、今回の米国の大統領選挙は、歴史に残るひどい泥仕合であるものの、時間軸を伸ばせば、ある程度、楽観視できる要素を持っていると言えると思います。

一方、欧州の新型コロナ感染再拡大はどうでしょうか。日に日に患者が増加しており、国によっては急増の域に達しています。増加がいつ止まるのか、誰にも予想ができない状態です。

以下の図は、欧州主要国の人口100万人あたりの新型コロナの患者数の推移です(筆者推計)。9月半ばごろから、欧州主要国で患者数が急増し始めたことがわかります。すでにベルギー、スペイン、フランスは、世界で最も感染者・患者数が多い米国を上回っていることもわかります。

人口100万人あたり、ベルギーは3万人強、スペイン、フランスは2万人前後です。つまり、ベルギー国民の100人に3人強(3%強)、スペイン、フランスそれぞれ国民の100人に2人前後(2%前後)が新型コロナに感染し、回復していない可能性があります。(10月30日時点)

期待よりも不安に反応する傾向がある大衆が参加する市場は、“米国の大統領選挙がもたらす期待よりも、欧州の新型コロナの感染拡大がもたらす不安に”、さらに言えば“次の4年間よりも今に”、そして“政治よりも人命に”、強い関心を示していると考えられます。

米大統領選挙の前後の動向と同じくらい、欧州のコロナの状況にも、注目したいと思います。

図:欧州主要国の新型コロナの患者数(人口100万人あたり) 単位:人 ※国名の右の人数は10月30日時点 ※患者数は、感染者-回復者-死亡者 で計算
新型コロナの患者数(人口100万人あたり)

出所:ブルームバーグおよび国連のデータより筆者推計

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。