新型コロナをめぐる報道は、強弱両方の材料

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。41.95ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,879.90ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年01月限は14,135元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年01月限は259.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで937.5ドル(前日比10.5ドル縮小)、円建てで3,182円(前日比11円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月18日 18時27分頃 先限)
6,303円/g 白金 3,121円/g
ゴム 222.5円/kg とうもろこし(夜間取引開始後、まだ出来ず)

●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「新型コロナをめぐる報道は、強弱両方の材料」

前回は「価格と実態のかい離が拡大。将来の期待を今“爆食”する各種市場」として、足元の市場全体のムードについて、筆者の考えを書きました。

今回は「新型コロナをめぐる報道は、強弱両方の材料」として、日本を含んだ主要国の、足元の新型コロナの患者数を確認し、金や原油市場との関連について、筆者の考えを書きます。

11月18日(水)、日本全国および東京都の新型コロナの感染者数が、過去最多となったと報じられました。この報道が、この日の株価反落の一因になったのではないか、との指摘もありました。

あまり報じられませんが、筆者は、報道でよく目にする1日あたりの新規感染者数よりも、感染者数から、回復者と死亡者を引いた、患者数の推移に、注目しています。直接的に、医療体制のひっ迫度合いに関わると考えられるためです。

例えば、以下のグラフのオーストラリアやニュージーランドなどのように、患者数が増加していないとみられる国では、医療体制は比較的、安定していると考えられます。

感染者が増加傾向になった場合、患者数も増加する可能性が高まるため、注意が必要です。

先述のように、仮に、1日あたりの感染者数の増加が株価を押し下げた可能性があるのであれば、各種市場は、今後も、感染者の増減を価格動向の判断材料にする可能性があります。

この場合、市場関係者は、今後より一層、感染者数の増減を意識する必要が生じます。

新型コロナに関わる、ワクチン開発が進んでいる旨の報道は、株価押し上げ要因であるものの、感染者増加の報道は、株価押し下げ要因、と言えます。足元、これらが入り混じっている状態と言えます。

金も原油も、株価の動向が、変動要因になる場合があります。コモディティ市場の関係者も、新型コロナ関連の報道に(ワクチン開発、感染者の動向ともに)、今まで以上に、注意して見守る必要がありそうです。

図:主要国の新型コロナの患者数(人口100万人あたり)11月16日まで 単位:人


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。