米シェールは、もはや斜陽産業!? 回復しない同地区の原油生産量①

著者:吉田 哲
原油反発。米主要株価指数の反発などで。41.92ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,865.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年01月限は14,230元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年01月限は260.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで903.05ドル(前日比6.95ドル縮小)、円建てで3,064円(前日比4円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月20日 17時28分頃 先限)
6,246円/g 白金 3,182円/g
ゴム 227.0円/kg とうもろこし 24,740円/t

●WTI原油先物 日足 (単位:ドル/バレル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「米シェールは、もはや斜陽産業!? 回復しない同地区の原油生産量①」

前回は「なぜまだ高い!? “ワクチン相場”が終わっても原油相場が堅調な理由」として、今週の各種主要銘柄の値動きを確認し、上昇が続いている原油相場の変動要因について、筆者の考えを書きました。

今回は「米シェールは、もはや斜陽産業!? 回復しない同地区の原油生産量①」として、今月、EIA(米エネルギー省)が公表した2つの月次統計から、米国全体と米シェール主要地区の原油生産量について、書きます。

毎月第2週目の火曜日に公表される短期見通し(STEO:SHORT-TERM ENERGY OUTLOOK)で、米国全体の原油生産量を、毎月第3週目の月曜日に公表される掘削可動性レポート(DPR:Drilling Productivity Report)で、米シェール主要地区の原油生産量を、確認することができます。

STEOより、米国全体の10月の原油生産量は、日量1079万バレルでした。新型コロナショックで原油相場が急落したことなどを受けて、今年最も減少した5月の1002万バレルよりも多い量です。

以下のグラフのとおり、米国全体の原油生産量は、5月以降、やや、回復しています。しかし、まだ、減少前、例えば3月の原油生産量は日量1274万バレルだったことを考えれば、減少した270万バレルもの量の、およそ29%にあたる77万バレル、回復した程度です。

新型コロナショック後、米国の原油生産量は、回復しているものの、その勢いは鈍い、と言えます。その鈍さの主因に、米シェール主要地区の原油生産量が再び減少傾向にあることが挙げられると、筆者は考えています。

DPRより、米シェール主要地区の10月の原油生産量は日量778万バレルでした。6月以降、回復していましたが、10月は日量778万バレルとなり、5カ月ぶりに減少しました。

米国全体の原油生産量のおよそ70%が、米シェール主要地区からの生産量とみられます。このため、シェール主要地区の生産量の減少が、米国全体の生産量の回復の鈍さの主因と言えそうです。

次回以降、米シェール主要地区の原油生産量が減少している要因について、筆者の考えを述べます。

図:米国全体と米シェール主要地区(7地区合計)の原油生産量 単位:百万バレル/日量


出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。