年末にかけ波乱含みの金相場

著者:菊川 弘之
 前回の当欄(11/26)では、『NY金(12月限)は、24日に200日移動平均線を割り込んだが、長大陰線引けで底打ち感は薄い。25日には十字線で引けており、26日のサンクスギビンデー(感謝祭)休場後に、この十字線レンジを下放れた場合、さらなる深押しも想定されるチャート形状だ。ただし、今年3月には200日移動平均線割れが、結果として買い場となった。2019年に長らく抵抗だった1400ドル水準を上抜けて以降、200日移動平均線が下値支持として機能している。長期上昇トレンドに変化は出ないと見るなら、値頃ではなく、長い下ヒゲや長大陽線などのチャート上の底打ちパターンを確認してから買い主体の戦術を考えたい。』としたが、英国でいち早くワクチン接種が始まる見通しや、弱気の米マクロ経済指標などを受けて12月1日には、ユーロ高・ドル安を背景に、NY金は長大陽線で切り返した。週足では52週移動平均線で支えられ、3月の切り返し場面と同様、下ヒゲ陽線での反発となった。

 移動平均線(200日や、52週移動平均線)と価格の乖離・方向性を見ることで、相場の先行きを判断する『グランビルの法則』における、「買いシグナル②」(移動平均線が上昇している時に、相場が移動平均線を下回った場合)となった格好だ。

 3月安値から8月高値までの上昇に対する半値押し水準で支えられ、一目均衡表の対等数値や、チャートの節目を付けやすい満月とも重なり、テクニカル面からもサイクル面からも、11月末の安値が当面の節目となる信頼性は高いだろう。

 ビットコインなどの暗号資産も、買い直されており、コロナショックをきっかけとした世界的な金融・財政総動員に伴う債務拡大からの通貨全体に対する「信任低下」と言う大きなテーマは継続している。

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券主席アナリスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。
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