年末にかけ波乱含みの金相場

著者:菊川 弘之
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 14日には米大統領選挙人投票日が控えるが、米テキサス州のパクストン司法長官(共和)が大統領選の手続きに不当な変更を加えたとして激戦4州を連邦最高裁に提訴した裁判に、他17州が9日、追随する方針を表明した。更に、トランプ大統領と6州が最高裁に対して同訴訟への介入(参加)を申請した。憲法違反の例として、この4州の州務長官は州議会を通さずに、不在者投票または郵便投票で署名の確認を義務付ける州法を「廃止」したと訴状は述べている。

 また、将来の大統領選で同じようなことが起こった場合にどうするべきか、最高裁の宣言的判決を求めている。さらに、選挙不正の調査に十分な時間を与えるため、4州で12月14日の選挙人確定の期限を延長することも求めている。

 これとタイミングを同じにして、バイデン氏の息子ハンター氏について、連邦当局が大統領選前の数ヶ月間停止していた捜査を再開。捜査の焦点はハンター氏による中国でのビジネス上の取引だ。順調な政権移行期待からのご祝儀ムードは、徐々に後退している。

 相場の変化が起こりやすい(トレンド反転、もしくは加速)と言われるサイクル面からの要注意日は、15日の新月。30日の満月。一目均衡表の対等数値からは、14日、21日、31日などがカウント可能だ。

 大納会に向けて、上下に波乱含みが予想される。年末・年始の薄商いの中、値が飛ぶリスクにも備えたい。

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

NSトレーディング株式会社 代表取締役社長 / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。

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