サウジとロシアは真面目に減産実施中

著者:吉田 哲
原油反発。米国の主要株価指数の反発などで。47.08ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,873.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,105元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年02月限は291.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで850.85ドル(前日比3.65ドル縮小)、円建てで2,870円(前日比11円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月23日 19時4分頃 先限)
6,237円/g 白金 3,367円/g
ゴム 231.2円/kg とうもろこし 25,340円/t

●WTI原油先物(期近) 日足 (単位:ドル/バレル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「サウジとロシアは真面目に減産実施中」

前回は、「新型コロナの変異種報道で原油よりも下落したのは!?」として、幅広い銘柄が下落した12月21日月曜日の、原油や複数の主要株価指数などの騰落率に注目しました。

今回は、「サウジとロシアは真面目に減産実施中」として、サウジとロシアの原油生産量について書きます。

以下のグラフは、JODI(Joint Organisations Data Initiative)が公表するデータをもとにして作成した、2017年1月に始まったOPECプラスの協調減産における、サウジとロシアの原油生産量の推移です。

2020年5月の協調減産再開後の、サウジ、ロシアの原油生産量の減少幅が大きく、両国ともに減産に積極的に取り組んでいることがうかがえます。

協調減産開始から減産中断前まで、どちらかと言えばサウジの方が、ロシアよりも減産に積極的だったと言えますが、当時に比べれば現在はロシアも、積極的に取り組んでいると言えます。

協調減産再開後の減産時の基準となる生産量は、サウジ、ロシアともに、日量1100万バレルです。

IEA(国際エネルギー機関)の資料によれば、2020年8月から12月までの間、サウジ、ロシアともに、この日量1100万バレルを基準に、日量200万バレルを削減することになっています。つまり、この間の両国の原油生産量の上限は日量900万バレルです。

JODIのデータで確認できる、2020年8月から10月までの3カ月間の生産量の平均は、サウジが日量8980万バレル、ロシアが9290万バレルでした。やや、ロシアが自身に課せられた上限を超えた生産を行っています。

とはいえ、先述のとおり、協調減産再開後は、ロシアの積極性が増していることから、全体的には、サウジ・ロシアの両国は、OPECプラス内のOPEC側、非OPEC側それぞれのリーダーとして、再開後の協調減産を積極的に行っていると言えそうです。

新型コロナの変異種の報道で、特に欧州を中心とした主要株価指数が下落し、消費減少懸念から、原油相場も下落しています。

このような強い下落要因に、サウジとロシアを中心としたOPECプラスの減産への積極的な姿勢という上昇要因がどれだけ抗えるか、今後も注目したいと思います。

図:サウジとロシアの原油生産量(2016年1月~2020年10月) 単位:千バレル/日量


出所:JODIのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。