今年を振り返り、2021年を占う

著者:菊川 弘之
 2020年も、残すところ3営業日となった。

 先週末にトランプ大統領が米追加経済対策の修正を要求し、米政府機関の一部閉鎖の可能性が出ていたが、暫定予算の期限が切れるギリギリの段階でトランプ大統領の署名により回避された。

 英・EUとの貿易協議も土壇場で合意を見たことで、市場の関心は、コロナ変異種の感染動向と、1月5日の連邦議会上院の2議席を巡るジョージア州の決選投票に向かいそうだ。

 依然として敗北宣言を出していないトランプ大統領が「6日(米両院合同会議・選挙人投票結果)、ワシントンで会いましょう。お見逃しなく!!」とツィートしており、年明けの波乱は消えていない。

 2020年はコロナショックがあったものの、年末にかけて世界的な金融緩和や巨額な財政の出動、米低金利政策の長期化思惑などから、米株価指数は史上最高値近辺で推移しているが、2021年は波乱での幕開けも想定される。

 株式市場の堅調に対して、金や銀などの一部を除く商品価格は、大きく下がっている。ジム・ロジャーズは、「21年以降は、断然商品の方を買いたい」「コロナショックで再び長い株式の時代から、新たな商品の時代が目の前にやってきている」と述べている。

 ジム・ロジャーズは価格予測はやらず、「相場のタイミングを取るのは下手だ。メディアに出るアナリストたちに聞け」とジョークを交えて語るが、長期的な歴史の波動を捉えることに、氏ほど秀でている人物はいないだろう。

 誰も注目する以前から「中国の時代」「商品の時代」を予測したことは、マーケット関係者ならだれでも知っているだろう。

 ジム・ロジャーズは、「商品の中でも特に、金と銀はすべての投資家が買うべきだ。繰り返すようだが、それは他の資産の保険にもなる。銀は過去最高値更新もあるだろう」としているが、2020年に内外共に史上最高値を更新した金、そして金との比較で割安感のある銀は、2021年も注目されそうだ。
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券主席アナリスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。
http://market-samurai.livedoor.biz/