2021年のコモディティ相場を読むヒントは、2020年にあり

著者:吉田 哲
原油反発。米国の主要株価指数の反発などで。48.40ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,885.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は13,755元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年02月限は305.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで815.4ドル(前日比4.9ドル縮小)、円建てで2,779円(前日比38円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月30日 大引け 先限)
6,279円/g 白金 3,500円/g
ゴム 226.9円/kg とうもろこし 25,710円/t

●WTI原油先物(期近) 日足 (単位:ドル/バレル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「2021年のコモディティ相場を読むヒントは、2020年にあり」

前回は、「原油価格、2021年は60ドル台で定着か!?」として、原油相場の2020年を振り返り、2021年の筆者の展望を書きました。

今回は、「2021年のコモディティ相場を読むヒントは、2020年にあり」として、2021年のコモディティ相場を読む上での、筆者が考えるヒントを書きます。

以下のグラフのとおり、この1年間、各種主要銘柄の多くは上昇しました。ここに挙げた株価指数、通貨、暗号資産、コモディティにおける主要銘柄17銘柄のうち、13銘柄が上昇し、騰落率の平均(最大最小を除く)はプラス14.8%でした。

複数の先進国の金融緩和や“バイデン・ワクチン相場”(バイデン新政権と有効性の高いワクチンへの期待が巨大に膨らんだ期待先行相場)で上昇したことが、多くの銘柄の年間騰落率がプラスになった要因とみられます。

また、2020年は、コモディティ市場全体において、さまざまな“常識外”や“想定外”が起きた年だったと言えると思います。

株高の中、金価格が史上最高値を更新したことや、電気自動車に注目が集まり、化石燃料を使用しない自動車が普及する観測が高まってもプラチナ価格が上昇したことは、非常に印象的でした。

原油は一時マイナスに陥ったり、クリーンエネルギー策を推進するバイデン氏が米大統領選挙で実質的に勝利しても大幅上昇したりするなど、複数回、“常識外”“想定外”の値動きを演じました。

2021年も、コロナ禍ということもあり、時代や時間の流れが速くなっているため、いろいろなところで、2020年と同様“常識外”“想定外”が発生すると考えられます。このような中、コモディティ市場を見通すためには、いくつか求められるスキルがあると、感じています。

① 過去の常識にとらわれない(常識を創造する)
② 材料を点でとらえない(情報を俯瞰する)
③ 複数の材料を同時に意識する(情報を結合する)

このような、2020年の値動きから学んだ点に留意することが、2021年のコモディティ市場を考える上で、重要だと考えています。

2021年、筆者は上記の3点を心に刻みながら、コモディティ市場を分析していく所存です。本年も、どうもありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

図:2019年12月30日(月)終値と2020年12月30日(水)午後の主要銘柄の騰落率


出所:各種情報源より筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。