“脱炭素”は、まだ黎明期。2021年にようやく本格的な議論が始まる

著者:吉田 哲
原油反発。米国の主要株価指数の反発などで。49.64ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,938.00ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。21年05月限は14,245元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年02月限は320.1元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで820.3ドル(前日比4.4ドル拡大)、円建てで2,755円(前日比14円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月4日 18時11分頃 先限)
6,402円/g 白金 3,647円/g
ゴム 239.9円/kg とうもろこし 27,400円/t

●WTI原油先物(期近) 日足 (単位:ドル/バレル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「“脱炭素”は、まだ黎明期。2021年にようやく本格的な議論が始まる」

前回は、「2021年のコモディティ相場を読むヒントは、2020年にあり」として、2021年のコモディティ相場を読む上での、筆者が考えるヒントを書きました。

今回は、「“脱炭素”は、まだ黎明期。2021年にようやく本格的な議論が始まる」として、2021年の各種コモディティ市場を考える際の一つの切り口である“脱炭素”について、考えます。

しばしば、なぜコロナ禍で、地球温暖化の進行を軽減させる“脱炭素”が急速に浸透しているのだろう?と考えることがあります。

地球温暖化が、新型コロナウイルスが流行するずっと前から、地球規模の課題として認識されていたことを考えれば、コロナと“脱炭素”は、直接的な関りはないように、思えます。

冒頭の問いへの現時点の筆者の答えは、「現在の」脱炭素は、①コロナ禍における一般大衆の心のよりどころ、②コロナ禍においてリーダー達が支持を集めるための手段、③各種企業がコロナ禍で負ったダメージを回復させる期待を醸成するための手段だから、です。

この意味では、「現在の」脱炭素は、一般大衆、リーダー達、各種企業に、コロナ禍をかいくぐったり、期待を醸成したりするための手段として認識され、利用されていると、言えそうです。

現在はこのような状況であるため、“脱炭素”の本来の役割であるCO2の排出量を削減することを目的とした、具体的な末端レベルでの大規模な変革は、まだおきていません。

つまり、脱炭素の本質的な議論はこれからなのです。その意味で、2021年は、“脱炭素”の黎明期(スタート期)と言えるでしょう。

次回以降、黎明期の脱炭素と金(ゴールド)について、考えます。

図:2021年の“脱炭素”


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。