原油反発。米国の主要株価指数の反発などで。54.25ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,849.40ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,570元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年03月限は346.8元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで741.3ドル(前日比16.2ドル拡大)、円建てで2,572円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月2日 18時35分頃 先限)
金 6,246円/g 白金 3,674円/g
ゴム 233.0円/kg とうもろこし 27,420円/t
●NY銀先物(期近) 月足 (単位:ドル/トロイオンス)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「米国個人投資家の共闘で銀価格上昇」
前回は、「先週(1月22日~29日)は、銀の上昇が目立った」として、先週1週間の各ジャンルの主要銘柄の騰落率を確認しました。
今回は、「米国個人投資家の共闘で銀価格上昇」として、足元の銀価格の上昇の一因とされる、米国の個人投資家の「共闘」について書きます。
米国の一部の個人投資家や交流サイトの動向が注視されています。米国の個人投資家の「共闘」がきっかけで、ゲームストップなどの一部の企業の株価だけでなく、銀関連銘柄までもが、上昇していると報じられています。
米国の掲示板型ウェブサイト「レディット(Reddit)」内の、多数の個人投資家が集まるフォーラム「ウォール・ストリート・ベッツ(Wall street bets)」で、“物価調整後の銀価格は1,000ドルであるべき”、“ゲームストップを手掛けた後は、ファースト・マジェスティックとiシェアーズ・シルバー・トラストETFが買われるだろう”などという投稿がなされたようです。
例えば、これまでにも、多数の個人が市場に影響した例があります。代表的なものとして、“ミセス・ワタナベ”が挙げられます。
日本時間の午後、主婦やサラリーマンが昼休みの時間を利用して行った取引が、ドル/円などの為替相場を大きく動かしたことをきっかけに、英国のメディアが日本人の名字に比較的多い“ワタナベ”を冠し、日本人の特に為替の取引をする個人投資家たちを“ミセス・ワタナベ”と名付けた、と言われています。
“ミセス・ワタナベ”と、ゲームストップ株や銀価格を動かしたとされる投資家は、多数の個人が主体という意味では同じかもしれませんが、大きく異なる点があります。「共闘」の色の濃さです。
今回、ゲームストップ株や銀価格を動かしたとされる投資家らは、報道によれば、“ヘッジファンドを打ち負かした”“(値下がりで利益を狙う)空売りを仕掛けるヘッジファンドを締め上げろ”などと、投資家が集まるフォーラムで結託し、「共闘」していた可能性があるとされています。そして「共闘」の背景には、富裕層への不満、があるとされています。
この点より、今回の各種市場の混乱は、富裕層に不満を抱く個人投資家による憂さ晴らし、という側面を持っているのかもしれません。一連の「共闘」による各種市場の混乱は、市場とは何か?というそもそもの問いを、市場に関わる全ての人に突き付けたように感じます。
市場とは何なのでしょうか? 長い時間をかけて人類が育んできた価格を決定する機能、多数の投資家の思惑が交錯する場所、資本主義経済を支える重要インフラ、人間社会を映し出す鏡、企業の資金調達の場など、この問いについては、さまざまな答えがあると思いますが、決して、特定の投資家の憂さ晴らしの場にはなり得ません。市場は“公共の場”だからです。
“資金の持続力”という点で考えれば、共闘する個人投資家たちが、ファンドに長期的に“勝ち続ける”ことはできないと筆者は思います。また、今回の出来事を機に米証券取引委員会(SEC)、米商品先物取引委員会(CFTC)などの当局が規制を強化する可能性があることを考えても、今回上昇したさまざまな銘柄が長期的に上昇し続けることは考えにくいと思います。
ファンドに対する持続的な勝利なのか、散発的な勝利なのか、共闘する投資家たちの目的がどこにあるのかは不明ですが、現実的には、勝ち続けることではなく、勝てそうな銘柄を物色した上で、しばしば勝つことを目指すのではないかと筆者は思います。この意味では、彼らの“富裕層への不満”が解消されるまで、第2、第3の“ゲームストップ株”が生まれる可能性はゼロではないと言えるでしょう。
仮に今後、米国市場で、(今回と同じ銘柄でも異なる銘柄でも)同様のことが起きた場合、日本にいる私たちは、冷静に、事態が鎮静化するのを待つことが求められると思います。
次回以降、今回くしくも注目があつまった銀が、個人投資家の「共闘」などがなくても、投資対象として有望と考えられる理由について、書きます。
図:市場とは何か?
出所:筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。1,849.40ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所)反落。21年05月限は14,570元/トン付近で推移。
上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年03月限は346.8元/バレル付近で推移。
金・プラチナの価格差、ドル建てで741.3ドル(前日比16.2ドル拡大)、円建てで2,572円(前日比16円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月2日 18時35分頃 先限)
金 6,246円/g 白金 3,674円/g
ゴム 233.0円/kg とうもろこし 27,420円/t
●NY銀先物(期近) 月足 (単位:ドル/トロイオンス)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「米国個人投資家の共闘で銀価格上昇」
前回は、「先週(1月22日~29日)は、銀の上昇が目立った」として、先週1週間の各ジャンルの主要銘柄の騰落率を確認しました。
今回は、「米国個人投資家の共闘で銀価格上昇」として、足元の銀価格の上昇の一因とされる、米国の個人投資家の「共闘」について書きます。
米国の一部の個人投資家や交流サイトの動向が注視されています。米国の個人投資家の「共闘」がきっかけで、ゲームストップなどの一部の企業の株価だけでなく、銀関連銘柄までもが、上昇していると報じられています。
米国の掲示板型ウェブサイト「レディット(Reddit)」内の、多数の個人投資家が集まるフォーラム「ウォール・ストリート・ベッツ(Wall street bets)」で、“物価調整後の銀価格は1,000ドルであるべき”、“ゲームストップを手掛けた後は、ファースト・マジェスティックとiシェアーズ・シルバー・トラストETFが買われるだろう”などという投稿がなされたようです。
例えば、これまでにも、多数の個人が市場に影響した例があります。代表的なものとして、“ミセス・ワタナベ”が挙げられます。
日本時間の午後、主婦やサラリーマンが昼休みの時間を利用して行った取引が、ドル/円などの為替相場を大きく動かしたことをきっかけに、英国のメディアが日本人の名字に比較的多い“ワタナベ”を冠し、日本人の特に為替の取引をする個人投資家たちを“ミセス・ワタナベ”と名付けた、と言われています。
“ミセス・ワタナベ”と、ゲームストップ株や銀価格を動かしたとされる投資家は、多数の個人が主体という意味では同じかもしれませんが、大きく異なる点があります。「共闘」の色の濃さです。
今回、ゲームストップ株や銀価格を動かしたとされる投資家らは、報道によれば、“ヘッジファンドを打ち負かした”“(値下がりで利益を狙う)空売りを仕掛けるヘッジファンドを締め上げろ”などと、投資家が集まるフォーラムで結託し、「共闘」していた可能性があるとされています。そして「共闘」の背景には、富裕層への不満、があるとされています。
この点より、今回の各種市場の混乱は、富裕層に不満を抱く個人投資家による憂さ晴らし、という側面を持っているのかもしれません。一連の「共闘」による各種市場の混乱は、市場とは何か?というそもそもの問いを、市場に関わる全ての人に突き付けたように感じます。
市場とは何なのでしょうか? 長い時間をかけて人類が育んできた価格を決定する機能、多数の投資家の思惑が交錯する場所、資本主義経済を支える重要インフラ、人間社会を映し出す鏡、企業の資金調達の場など、この問いについては、さまざまな答えがあると思いますが、決して、特定の投資家の憂さ晴らしの場にはなり得ません。市場は“公共の場”だからです。
“資金の持続力”という点で考えれば、共闘する個人投資家たちが、ファンドに長期的に“勝ち続ける”ことはできないと筆者は思います。また、今回の出来事を機に米証券取引委員会(SEC)、米商品先物取引委員会(CFTC)などの当局が規制を強化する可能性があることを考えても、今回上昇したさまざまな銘柄が長期的に上昇し続けることは考えにくいと思います。
ファンドに対する持続的な勝利なのか、散発的な勝利なのか、共闘する投資家たちの目的がどこにあるのかは不明ですが、現実的には、勝ち続けることではなく、勝てそうな銘柄を物色した上で、しばしば勝つことを目指すのではないかと筆者は思います。この意味では、彼らの“富裕層への不満”が解消されるまで、第2、第3の“ゲームストップ株”が生まれる可能性はゼロではないと言えるでしょう。
仮に今後、米国市場で、(今回と同じ銘柄でも異なる銘柄でも)同様のことが起きた場合、日本にいる私たちは、冷静に、事態が鎮静化するのを待つことが求められると思います。
次回以降、今回くしくも注目があつまった銀が、個人投資家の「共闘」などがなくても、投資対象として有望と考えられる理由について、書きます。
図:市場とは何か?
出所:筆者作成