原油反落。米国の主要株価指数の反落などで。57.78ドル/バレル近辺で推移。
金反落。ドル指数の反発などで。1,816.65ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所) 春節のため2月17日(水)まで休場。
上海原油(上海国際能源取引中心) 春節のため2月17日(水)まで休場。
金・プラチナの価格差、ドル建てで580.35ドル(前日比0.55ドル拡大)、円建てで2,069円(前日比12円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月12日 19時7分頃 先限)
金 6,154円/g 白金 4,085円/g
ゴム 238.5円/kg とうもろこし 28,000円/t
●NYプラチナ先物(期近) 月足 (単位:ドル/トロイオンス)
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/492/original_1_210212_rakutensec_yoshida.png)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「コロナ禍で貴金属市場に自我が芽生える!?」
前回は、「貴金属市場の“定石”の由来」として、4つの貴金属の値動きの傾向における、“定石”について考えました。
今回は、「コロナ禍で貴金属市場に自我が芽生える!?」として、コロナ禍ゆえ、貴金属市場の“定石”と“定石外”の両方を意識することが必要であることついて述べます。
前回述べたとおり、貴金属の価格動向に注目する際は、原則として定石に留意しておく必要がありますが、状況によっては、“定石”が価格動向の主要な傾向でなくなる場合があり、注意が必要です。
現在はコロナ禍です。コロナ禍では、“定石外”を想定しなくてはなりません。コロナ禍では、株と金が相関関係になる、金と銀との相関関係や、プラチナやパラジウムと株の相関関係が崩れることを、常に想定しておかなければならないと、筆者は考えています。
以下の図のとおり、定石外が発生する背景に、金融緩和と、脱炭素ブームが挙げられます。
新型コロナの感染拡大で負った経済的なダメージを回復させるため、“銀行の銀行”とよばれる中央銀行(日本であれば日本銀行、米国であればFRB(米連邦準備制度理事会)など)は、国債などを買い入れて、社会に資金を供給し続けています。また、目標金利を低水準で維持しています。
また、世界は空前の脱炭素ブームです。①大衆の心のよりどころ、②リーダー達の支持を集めるための手段、③企業におけるコロナで負った経済的ダメージを回復させる手段、などのためにブーム化している脱炭素もまた、金融緩和と同様、貴金属市場に“定石外”をもたらす要因になり得ます。
図のとおり、金融緩和は、金(ゴールド)と株式の上昇要因になり得ます。また、脱炭素は、銀とプラチナの上昇要因になり得ます。
金融緩和と脱炭素という2大テーマは、本来、別々の文脈で議論されるため、金融緩和がさらに進んで金と株が上昇することと、脱炭素が進展して銀とプラチナが上昇することは、根本原因は別と解釈することになります。
これまで、金と銀、そしてプラチナとパラジウムは、それぞれ歩調を合わせて動くのが“定石”だったわけですが、金融緩和と脱炭素が進展すれば、金は金の、銀は銀の、プラチナはプラチナの都合で、価格が動く場面が増えると、考えられます。プラチナがプラチナの都合で動けば、プラチナとパラジウムが連動する“定石”も崩れると、考えられます。
新型コロナの感染拡大を起点とした金融緩和の進展と脱炭素ブームが与える、貴金属市場への影響は、“定石外”の発生、いわば、貴金属銘柄間のデカップリング(2つの値動きが連動しなくなること)の発生だと、筆者は考えています。
貴金属市場の“定石”が全く通じなくなるわけではありませんが、コロナ禍ゆえ、“定石外”が発生する頻度が高まる可能性がある点を、強く、心にとめておく必要があると思います。
コロナ禍で、貴金属たちが自我に目覚め、定石外の路線をたどる可能性が高まっています。“定石”から離れて、一度、頭をゼロの状態にして、改めて、“現在の”貴金属相場を見てみてください。きっと、深いレベルで、貴金属相場の面白さに、気が付くと思います。
図:コロナ禍における、金融緩和と脱炭素ブームが与える貴金属市場への影響
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/493/original_2_210212_rakutensec_yoshida.png)
出所:筆者作成
金反落。ドル指数の反発などで。1,816.65ドル/トロイオンス近辺で推移。
上海ゴム(上海期貨交易所) 春節のため2月17日(水)まで休場。
上海原油(上海国際能源取引中心) 春節のため2月17日(水)まで休場。
金・プラチナの価格差、ドル建てで580.35ドル(前日比0.55ドル拡大)、円建てで2,069円(前日比12円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。
国内市場は以下のとおり。(2月12日 19時7分頃 先限)
金 6,154円/g 白金 4,085円/g
ゴム 238.5円/kg とうもろこし 28,000円/t
●NYプラチナ先物(期近) 月足 (単位:ドル/トロイオンス)
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/492/original_1_210212_rakutensec_yoshida.png)
出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より
●本日のグラフ「コロナ禍で貴金属市場に自我が芽生える!?」
前回は、「貴金属市場の“定石”の由来」として、4つの貴金属の値動きの傾向における、“定石”について考えました。
今回は、「コロナ禍で貴金属市場に自我が芽生える!?」として、コロナ禍ゆえ、貴金属市場の“定石”と“定石外”の両方を意識することが必要であることついて述べます。
前回述べたとおり、貴金属の価格動向に注目する際は、原則として定石に留意しておく必要がありますが、状況によっては、“定石”が価格動向の主要な傾向でなくなる場合があり、注意が必要です。
現在はコロナ禍です。コロナ禍では、“定石外”を想定しなくてはなりません。コロナ禍では、株と金が相関関係になる、金と銀との相関関係や、プラチナやパラジウムと株の相関関係が崩れることを、常に想定しておかなければならないと、筆者は考えています。
以下の図のとおり、定石外が発生する背景に、金融緩和と、脱炭素ブームが挙げられます。
新型コロナの感染拡大で負った経済的なダメージを回復させるため、“銀行の銀行”とよばれる中央銀行(日本であれば日本銀行、米国であればFRB(米連邦準備制度理事会)など)は、国債などを買い入れて、社会に資金を供給し続けています。また、目標金利を低水準で維持しています。
また、世界は空前の脱炭素ブームです。①大衆の心のよりどころ、②リーダー達の支持を集めるための手段、③企業におけるコロナで負った経済的ダメージを回復させる手段、などのためにブーム化している脱炭素もまた、金融緩和と同様、貴金属市場に“定石外”をもたらす要因になり得ます。
図のとおり、金融緩和は、金(ゴールド)と株式の上昇要因になり得ます。また、脱炭素は、銀とプラチナの上昇要因になり得ます。
金融緩和と脱炭素という2大テーマは、本来、別々の文脈で議論されるため、金融緩和がさらに進んで金と株が上昇することと、脱炭素が進展して銀とプラチナが上昇することは、根本原因は別と解釈することになります。
これまで、金と銀、そしてプラチナとパラジウムは、それぞれ歩調を合わせて動くのが“定石”だったわけですが、金融緩和と脱炭素が進展すれば、金は金の、銀は銀の、プラチナはプラチナの都合で、価格が動く場面が増えると、考えられます。プラチナがプラチナの都合で動けば、プラチナとパラジウムが連動する“定石”も崩れると、考えられます。
新型コロナの感染拡大を起点とした金融緩和の進展と脱炭素ブームが与える、貴金属市場への影響は、“定石外”の発生、いわば、貴金属銘柄間のデカップリング(2つの値動きが連動しなくなること)の発生だと、筆者は考えています。
貴金属市場の“定石”が全く通じなくなるわけではありませんが、コロナ禍ゆえ、“定石外”が発生する頻度が高まる可能性がある点を、強く、心にとめておく必要があると思います。
コロナ禍で、貴金属たちが自我に目覚め、定石外の路線をたどる可能性が高まっています。“定石”から離れて、一度、頭をゼロの状態にして、改めて、“現在の”貴金属相場を見てみてください。きっと、深いレベルで、貴金属相場の面白さに、気が付くと思います。
図:コロナ禍における、金融緩和と脱炭素ブームが与える貴金属市場への影響
![](https://s3.fu.minkabu.jp/pictures/493/original_2_210212_rakutensec_yoshida.png)
出所:筆者作成