商品市場は歴史的大底確認

著者:菊川 弘之
 世界的なコロナ危機の長期化により、商品市場は需要減少と共に供給障害が問題化している。人の移動が制限されたことから、安い労働力の不足、流通システムの混乱などが各商品で発生しており、バイデン政権で期待されている「脱炭素・グリーン政策」期待や異常気象の影響もあり、エネルギー、穀物、非鉄、銅、電子部品などの価格上昇が静かに始まっている。

 金(GOLD)が下がっていることで、商品市場全体が弱気のような感覚をお持ちの方も多いが、ほとんどの商品は昨年秋口から上昇トレンドを描いている。

 昨年、歴史的なマイナス価格を示現した原油価格は60ドル台を回復している。2月から始まったサウジの自主減産や「OPECプラス」の生産枠順守に加え、寒波を背景とした米国の供給減がやや長引くと想定されているほか、米国の追加経済対策や新型コロナワクチンの普及に伴う景気回復を期待した買いが株高と共に続いている。米テキサス州では原油生産の復旧は比較的容易である一方で、製油所の再稼働には時間を必要とするとみられている。

 穀物市場も季節的な下げ圧力(南米産の収穫圧力)から「2月安」と言われる時間帯にも、南米産の不作懸念や米国の危機的な在庫率を背景に大きく下げることなく、今月末から北米の天候相場を迎える。北米産地の天候次第では、食料危機や食料争奪戦などさえ起きかねない綱渡り状況だ。

 バイデン政権誕生と共に「脱炭素」・「グリーンサイクル」などをテーマに、電力インフラや自動車の軽量化需要が見込まれるアルミや、燃料電池車(FCV)の触媒に使うプラチナ、太陽光や風力で作った電力をため込む蓄電池向けの鉛、車載電池のニッケル、太陽電池向け需要の銀などが「グリーン銘柄」として動意付いている。


 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券主席アナリスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。
http://market-samurai.livedoor.biz/