金は底値圏に接近中(ブラックアウト期間の波乱に注意)

著者:菊川 弘之
 2013以降、長期金上昇とNY金の関係を振り返ってみると、「金利上昇⇒NY金下落」の構図が見て取れる。

 まず、2013年5月~12月までの期間。いわゆる「バーナンキ・ショック」。2013年5月に、当時のバーナンキFRB議長が、量的緩和縮小を示唆したことから、米10年国債利回りは1.4%上昇した。この時の金の最大下落率は約19%。

 次が2015年1月~6月まで。長期金利上昇の背景は、利上げの織り込み。実際の利上げは2015年12月に行われ、ゼロ金利政策が解除された。この期間、米10年国債利回りは0.8%上昇。NY金の最大下落率は、約10%。

 3回目は2016年7月~2017年3月まで。2016年11月の米大統領選挙でトランプ氏が勝利すると、減税などによる景気押し上げ期待から、米10年国債利回りは1.3%上昇。この際は、NY金の下落率は約10%。

 4回目は2017年9月~2018年11月まで。FRBによるバランスシート縮小(2017年10月開始)が長期金利上昇の背景。この期間、米10年債利回りは1.2%上昇。NY金の最大下落率は約12%。

 そして、2020年8月から始まっている現在の金利上昇。米10年国債利回りは1.0%上昇。歴史的にみれば、1.6%台(2/25)の米金利は、まだまだ安値圏であり、景気回復と共に金利上昇圧力も続きそうだが、米金利上昇に伴うNY金の調整は、底値圏に接近しているかもしれない。
 

このコラムの著者

菊川 弘之(キクカワ ヒロユキ)

日産証券主席アナリスト / 国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe®)。
GelberGroup社、FutureTruth社などでのトレーニーを経験後、商品投資顧問会社でのディーリング部長等経て現職。
日経CNBC、BloombergTV、ストックボイス、ラジオ日経など多数のメディアに出演の他、日経新聞、時事通信などに連載、寄稿中。
また、中国、台湾、シンガポールなどで、現地取引所主催・共催セミナーの招待講師も務める。
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